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六甲山と瀬織津姫 264 謎の被葬者

五色塚古墳の朝顔型円筒埴輪について、
「甑」を模したものだと感じ、そう書いていたが、
きょう、同意見の報告書があるのを知り驚いた。

昭和4(1929)年、考古学者の福原潜次郎氏が
記した『兵庫県明石郡垂水五色塚古墳について』
がそれで、(以下意訳)「ツバやヒレのついた埴輪を
疑問に思っていたが、正体を明らかにし甑と認める
に至った。その結果、名称の由来は甑塚と断定した。
古から甑塚と呼ばれたが、やがてゴシキと
一音濁り、五色の文字を使うようになった…」
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タイトルにある「明石郡垂水五色塚」の場所
にも、目からウロコが落ちた。五色塚古墳は
いま神戸市垂水区にあるが、古くは播磨国明石郡
 垂水に築造されたことを、忘れがちになっていた。

いっぽう、平成15(2003)年に発刊された
『五色塚古墳・小壺古墳 発掘調査復元整備報告書』
では、「謎の被葬者」に関する記述に出会った。

ひとつは、被葬者に関する所見で、その人は
「明石国造の都弥自足尼(つみじのすくね)に
違いない」(意訳)というものだ。

もうひとつは、古墳の石棺に関する目撃者談。
 海神社の宮司上月氏は言った(寛永2、1625年)。
「五色塚古墳の頂上で石郭の破片を見て、持ち帰った
が、内部には石棺があった可能性がある」(意訳)

これら話のピースを繋げると、次の推理が成り立つ。
〜 五色塚古墳の被葬者は、(応神天皇時代に)
朱の交易で巨富を築いた明石国造・都弥自足尼
で、石郭内の石棺に埋葬されたと考えられる。〜


ところで、先日行った神戸の旅では、淡路島から
海神社へと移動して参拝した。まさにあの、
五色塚古墳で石郭の破片を拾ったという上月氏が
司祭した神社。社務所でお尋ねしてみたかった…。


海神社(かいじんしゃ、神戸市垂水区)。
五色山から東へ550m、国道2号線沿いに鎮座。
この本殿の北側に隣接するようにJR垂水駅がある。
五色塚古墳の被葬者と関係するかもしれないと、
あのときもそう考えて訪れてみたのだった。
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本殿前から振り向くと、鳥居がふたつ見える。
手前の石鳥居の向こうを国道2号が走り、建物を
挟んでさらに向こうの赤鳥居が一の鳥居、建物の
向こうが垂水港か。右手に明石海峡大橋と淡路島が
 見える位置。浜から参道に入る、まさに「海神社」。
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御祭神は綿津見大神(三神)である、
底津綿津見神、中津綿津見神、上津綿津見神。
配祀は大日霊貴尊(オオヒルメムチノミコト)。
その別名は天照皇大神だと、由緒にあった。

鎮座は、神功皇后の三韓征伐に由来する。
社伝によると、(神功皇后が)お還りの時、
暴風雨のため船が進まなくなったため、綿津見三神
 を祀り祈願すると、たちまち風波が収まったという。


参拝中から左奥の摂社が気になっていたが、
近づき、鳥居を見上げてアッと目を見張った。
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社号の赤い扁額には、こう書いてあった。
左から、稲荷社・蛭子社・猿田彦社。

中央の蛭子社には、ヒルコ神を祀っているようだ。
アシア人がいたと語り部の言う南九州の甑島にも、
六甲山の越木岩神社にも祀られる、蛭子大神である。

by utoutou | 2019-10-08 18:16 | 瀬織津姫 | Trackback | Comments(3)
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Commented at 2019-10-08 18:29 x
ブログの持ち主だけに見える非公開コメントです。
Commented by utoutou at 2019-10-12 08:45
> まこまこさん
こんにちは。コメントありがとうございます。六甲に通いながら、いつか明石海峡へと思っていましたが、遅すぎたかもしれないですね。こんなに重要な場所だったとは! 行ってみると、この地方の神功皇后伝承地が神戸、西宮、尼崎に集中しているのには、明石を隠す目的があったのかも、と、伝承に潜む意図すら勘ぐってしまいました(笑)。後ほどブログを更新しますが、まこまこさんの「海辺に蛭子神社がたくさんある」という話に、今回はヒントをいただきました。垂水の海神社の一の鳥居は砂浜に立っていたということですが、そこから五色塚古墳の海岸線には明石までは、逆に神社がありません。五色山が古墳になる前は貿易センターのような場所だったのでは? と考えたりしています。それにしてもよいところですね!
Commented at 2019-10-12 20:13 x
ブログの持ち主だけに見える非公開コメントです。
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