最後に首里城を訪れたのは、'16年10月16日。 南殿・番所(ばんどころ)から入館して、 南殿の白木の渡り廊下を正殿(東)に向かいつつ ガラス窓に張り付いて、スマホでズーム撮影した。 堂々たる正殿と御庭(うなー)の誇らしさを偲ぶ。 いまとなっては、もっと近寄っておきたかった。 ![]() 御庭の中央に、斜めに走る赤い通路は「浮道」。 琉球国王か中国皇帝か、その使者だけが歩いた。 あの日も観光客が多く、無人の瞬間を待って撮った。 ![]() ![]() ![]() 正殿2階の東南に位置する「おせんみこちゃ」は、 首里城で私がもっとも近づきたかった秘境。 なぜならここは非公開で、漆の格子戸は開かない。 見学コースだから前後ともに人が並ぶなか、 いつも列から外れて、格子の隙間から中を覗いた。 かすかに右(東端)の神壇に金の香炉が見える。 ![]() 金の香炉は、「火の神(ヒヌカン)」。 古くは「御三物(オミチムン)」と呼ばれた。 太陽・月・星(地球)で、三大自然神となる。 太陽のみならず、日月星辰(星々)を信仰した 琉球の人々は、至聖至高の自然神を崇めたのだ。 金の香炉には、琉球開闢のときから継がれた、 地球の芯に燃える御神火が息づいていたという。 先月も「火の神」にそのことを書いたばかりだ。 語り部に琉球古神道を教えた神女おばあは言った。 常々、「火という字はね…」と。 「右が太陽、左が月、その間に人の生命が宿る地球 がある。火という字は、オミチムンのことだよ。 円のなかに人を書いてごらん、三つ巴になる」 火の神(ヒヌカン)は、琉球の魂(まぶい)。 太陽(日)と火(地球)と霊(月と森羅万象)。 それが、三つ巴。ヤマトでいう撞賢木厳之御魂。 悲しいことに、火は首里城を焼き尽くしたが、 火の神は、火の鳥。不死鳥・フェニックス。 首里城が…琉球の魂が甦ることを願ってやまない。
by utoutou
| 2019-11-01 13:26
| 瀬織津姫
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Comments(5)
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あの日、首里城を包む炎の中天に向かって舞い上がる沢山の火龍を視ました。
そして今、私の脳裏にはその炎から生まれる不死鳥の姿が視えます。 首里城は自ら燃えて新しい時代と共に不死鳥となり 生まれ変わりました。 沖縄を飛び越え、日本国内のみならず世界で首里城再建の為の動きが出ています。 国境を超え人種の壁を超え、此処沖縄の為に全てを越えたゆいまーるの動きが出ています! 大きな役目を持って首里城は自ら火に包まれ燃えたと私は思います!! 悲しみは一時的な事、大きな希望が生まれました。
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> さいとう よしみさん
荒祭宮の神、祓戸の神、、どなたにとっても惹かれるテーマですね。新生・転生・再生を司る神ですから。沖縄行きのお話も分かります。私も若い頃、3歳の息子の誕生日祝いを言い訳に(家族からは意味不明と言われつつ^^;)沖縄に子連れで飛んだことがありました。自分は何かに飢えているかもという思いが沖縄に向かわせたのかもしれません。多分、転生への衝動です。首里も首里城も、本来の姿に転生してくれることを切に願っています。
> junnatsu123さん
ありがとうございます。そうでしたか、不死鳥が。きょう首里の弁ケ岳に行ってみましたら、弁の御嶽で長いことお祈りする神女の方々がいらして、再生への祈りのように感じました。明日は久高島へ行き、神の島の空気を感じてきたいと思います。私は神女ではありませんが、祈りの力を信じて首里城の再建を切に望んでいます。 ![]()
首里城
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