首里城火災から1週間経った7日(木)朝6:50。 久高島・イシキ浜に昇る朝日。首里城から約20㎞、 琉球の東(あがり)の空に、太陽が煌めいている。 首里城の祭祀空間はこの太陽を拝するためにあった。 ![]() 首里城には十御嶽があったというが、全容は不明。 ただ、首里森の御嶽→正殿→弁之嶽は東西に並ぶ。 ではその先の東方の聖地とは、どんな線を結ぶのか? ということで訪れた聖地、その東端が久高島である。 首里城の 西のアザナ(物見台)から東方を見る('16年)。 写真の右方向に遠く、斎場御嶽、久高島がある。 ![]() 実は、以前から不思議に思うことがあった。 正殿2階、大庫理(うふぐい)の東側にある おせんみこちゃ(祭祀所)では、国王が東に向かい 朝拝したというが、金の香炉(火の神、ヒヌカン) は神檀の中央にはなく、南に少しズレていた。 真東ではないその方角に、どんな意味があるのか? それを知るための、ひとりフィールドワーク。 まずは、首里丘陵の最高峰にして東端の弁之嶽へ。 太平洋側(東)に位置する大嶽(おおたき)は、 琉球の至高の聖地・斎場御嶽への国王遥拝の地だ。 コンバスを置くと、拝所は、 およそ東110度を向いていることが分かった。 (※だいたいの方角を知るためのシロート計測です) ![]() 弁之嶽から斎場御嶽は、およそ東110度の方角。 東(90度)から、20度ほど南に寄っている。 ![]() ツアーガイドさんの説明が数グループ続いたが、 終わるのを待ち、大庫理を背にして方角を測った。 東120度、東(90度)から30度ほど南に寄っている。 その先の何処かからの神霊を、磐座前に並ぶ石香炉 を通して、新しい聞得大君はその霊力を身に受けた が、つまりその神霊とはどのような神のパワーか? と、思いつつ、斎場御嶽に近い安座真港から船で 王府時代に「神の島」と呼ばれた久高島に渡った。 1泊して迎えた朝、東海岸で燃える朝日を見た。 戻り際、王府時代にも神事が行われたイシキ浜 を振り返る。道に出る前(写真右)に拝所がある。 ![]() ここでも拝所を背に、海に向かって方角を測る。 東120度。東(90度)から30度南に寄っている。 ![]() 国王の東方遥拝地・弁之嶽から東110〜120度に ある、または、あると信じられた神の存在とは? 海の彼方のニライカナイか、太陽神か、月神か? 「どう思いますか? 」と聞くと、語り部は言った。 「十二支で言えば、辰の方角。そして、辰は龍神。 また、それは、冬至の日の出の方角ですね」 ガッテン! 脳内からその声が聞こえた…気がした。 辰の方角は東東南、東から105〜135度ゾーン。 調べると、沖縄の冬至の日の出は東116度だ。 「辰」を起点とする「太陽の道」は、琉球王を 守護する龍神の通り道であった。火災で残った 正殿前に立つ大龍柱の奇跡に、その神威を思う。
by utoutou
| 2019-11-10 20:06
| 瀬織津姫
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Comments(3)
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> さいとう よしみさん
切り絵の完成、楽しみですね。私も首里城の早期復元を願う一人ですが、同時に首里の丘に広がる城の遺構を、この際、調査してほしいとも願っています。正殿1階のガラス張りになった床を覗くかたちで見学できた世界遺産の遺構。その部分が火災による瓦礫で損傷されたとニュースで見ましたが、首里城の遺構や地層にはグスク時代以前の深い歴史が詰まっているように思います。
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すいません。『遺構』の存在は詳しく存じませんでした。とても大切な事を見落とすところでした。ありがとうございました。
上手く説明出来ないのですが、古今東西いわゆる『旧き聖地』のエリアに、何らかのシンボリックな構造物が包み込むように、寄り添うように存在しているな・・・と、ふと連想しました。 首里の大地を預かる(?。すいません。適切な表現が分かりません)歴代の方々も、東の彼方の太陽の力だけではなく、大地から醸される力も得ていたのかな?・・・と空想してしまいました。 同時に月や星は、どう考えられていたのかな?。どう解釈定義を『グスク時代以前の深い歴史に住まう方々』は、していたのかな?・・・と感じました。
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![]() by utoutou
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