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天孫氏は火の一族〈4〉隼人の鉄

『アイアンロード〜知られざる古代文明の道』
(NHKスペシャル)をオンデマンドで再視聴。
我ながらハマった。確認したかったのは後半だ。

スキタイから伝わった製鉄技術で鉄の軍事国家
となった匈奴が、前200年に万里の長城を超え、
漢に侵攻して圧勝したとき、武器は鉄の鏃だった。
片や初代王・劉邦の率いる漢の鏃は青銅製だった。

が、70年後、漢は鉄のイノベーションに成功する。

七代王・武帝が匈奴に反撃して打倒を達成(前133)。
勝因は言うまでもなく鉄の新兵器・戟(げき)だった。
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漢は、それまで不可能だった強い鉄の武器を、
↓ 炒綱炉(地炉に蓋を被せる)の開発によって
大量生産。軍事力を飛躍的に強化させたのだった。
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鉄のイノベーションによって、大型の武器と同時に
畑を耕す鉄の農具も開発、漢は農業革命を進めた。
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その最新技術は朝鮮半島を通り、日本列島へ到達。
鉄の工具は集落や船を大型化、弥生の社会を変えた。
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〜いま私たちはユーラシアの人々が切り拓いた道
を歩み続けている〜 エンディングに浸りつつ、
やはり思うのは、「さらにもう1本の鉄の道」。
北ルートではない南ルートもあったはず、と…。

そもそも、大陸には、北の赤鉄鉱・磁鉄鉱に
よる高温製鉄と、南の褐鉄鉱による低温製鉄、
2通りの製鉄があったという。後者を運んだ
南ルートが、「さらにもう1本の鉄の道」だ。


ところで、
漢の武帝王は、匈奴に圧勝したちょうどその頃、
長江の南にあった国・閩越(びんえつ)も討った。

閩越は越王・勾践(こうせん)の子孫、つまり
越(前334年に滅亡)の一族が建てた国だった。


※地図は山川出版社「詳細世界史図録」より拝借。
右下、台湾の西の赤丸(当ブログの加工)が閩越。
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武帝に滅ぼされた閩越の民は漂流民となった
が、元々は製鉄・造船・航海・漁業などの高度
な技術を有する、海洋民族だったという。

沢史生氏・著『閉ざされた神々』によれば、
閩越の民は新天地を求めて海を渡り、薩摩半島
の野間岬に漂着、鉄の農具で稲作を始めた。

「アタ族」とも呼ばれていた彼らは、現在の
 日置郡金峰町に定住して、「阿多隼人」となった。

水辺の漂流民だった隼人の製鉄は、葦原に成る
スズ鉄を用いた低温製鉄だったに違いないと、
浅野壮一郎氏は『古代製鉄物語』で述べている。
「豊葦原の瑞穂の国」に先着したのは隼人だったか。




by utoutou | 2020-01-22 21:24 | 天孫氏 | Trackback | Comments(0)
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