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天孫氏は火の一族〈15〉久高島、最古の川へ

斎場御嶽がほぼ真正面に見える。約6㎞先が本島だ。
久高島でもっとも古いという川(カー)に行く。
西海岸。かれこれ10年、そこを知る人を探していた。
川の名はハタブチガーというが、名の由来は不明だ。
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戦後まで、この地をひとりで崇めていたおじいが
 いたことを覚えている人が見つかり、この日に至った。
 明治生まれのいまは亡きおじいは、ここが島で最古の集落
 と悟ったのか、伝承があったのか…については分からない。

『神々の原郷 久高島(比嘉康雄 著、'93年)は、
外間ノロ(島で最高の公職神女)・ウメーギ(補佐役)
だった西銘シズさんからの聞き書きをまとめたもの
だが、ハタブチガーは上巻に次のように記されている。

【第一部 神 祖霊 魂〜②水の神】
〜 火のあるところに家があり家族があったように、
水のあるところに生活が成り立っていた。
久高島の水源地は西海岸に多い。珊瑚礁の割れ目から
しみ出る程度の水量のものが多く、その泉をためた
状態をカーと言っている。(※中略)
久高島のカーは古い順に北から南にかけて点在して
いる。久高島第一の聖地クボー御嶽の裏側に、
シラタルとファーガナシーのカミー(管理)である
ハタブチガーがある。〜

シラタルとファーガナシーの若夫婦(従兄弟同士)
は、アマミキヨの直系と言われるミントン家から、
先祖の足跡を追って島に渡ったという伝承がある。
その伝でいけば、ここはアマミキヨの住居跡となる。
(関連の過去ログは「ミントンの娘とイザイホー」)

崖下を覗くと、海面まで10mあまりの高さがある。
ここを降りた左側に、ハタブチガーがあったという。
いまは枯れてしまったが、「水の神」の在所らしい。

降りようとすると、ポケットに入れたスマホが鳴った。
語り部だ。そして言う。「そこの少し右ですよ、右」
「えっ、右? 私の右…ですか?」
いや、カーは左みたいですよ。言う前に語り部が言った。
「右へ進んで、クバ(蒲葵)の近くに、ガマ(洞穴)が
ないですか? そのあたりが古い集落の中心だと思います」

那覇にいるのにナゼ視える? と苦笑しつつ、ガマを探す。
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確かに語り部の言う通り、ガマの入り口は見つかった。
身長164㎝の私が腰を少し屈める程度の姿勢で、
楽に中まで進むことができる。入り口の一部(写真左)が
鍾乳洞のツララのように見えたが、画像はブレた。
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内部は案外と広い。全体的には「ウナギの寝床」のような
形だが、天井は予想外に高く中腰のまま進めた。突き当たり
の海側の壁は組み石らしく、隙間からわずかに光が入る。
中心は真っ暗、しかし無風、波の音がする…雨露は凌げそうだ。
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ガマの最奥にしゃがみ込み、入り口から外を見る。
本体の奥行きは5mぐらいか。おそらく人が住めた。
何度か島のガマに潜入してきたが、その都度、
「ここなら住める」という感想をいつも抱いたものだった。
ここもまた、アマミキヨ族が住んだ遺跡と感じられた。
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さて、いよいよ島で最古というハタブチガーまで降りてみる。




by utoutou | 2020-03-21 04:10 | 天孫氏 | Trackback
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