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天孫氏は火の一族〈107〉龍泉寺と役行者

紅葉の大峯山龍泉寺(奈良県天川村大字洞川)へ。
近鉄の下市口駅前から奈良交通の路線バスで80分。
吉野路は修験の道、大峯山は真言宗修験の大本山。

1300年前に役行者がここで湧水を発見し、
「龍の口」と名付けて、八大龍王を祀ったという。
 龍王池に架かる太鼓橋は、龍王橋と呼ばれている。


大峯山山上ヶ岳へと登る登龍門(?)である
修行門を入ると、そこには水行の池が。口から
霊水を吐く龍のいる岩窟の上で役行者が見守る。
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これまでに出会った役行者の姿が思い出された。
箕面御影六甲…。六甲比命神社の磐座にも、
六甲修験道の開祖としての痕跡を残している。

修験の道は鉱物資源と無縁ではない。紀伊半島や
吉野を横切る中央構造線の北の領家変成帯(葛城山)、
南の三波変成帯(五條=古代の宇智郡)にはともに
鉄と銅と水銀朱の鉱床・鉱脈があったと言われている。
霊力で金鉱を探す修験者の姿は、山師のそれに重なる。
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大雨に見舞われた午後だった。本堂の下から見上げて
は写真を撮れなかったので、本堂前の軒下から撮る。
 両側に役行者に従ったという前鬼・後鬼が立っていた。
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龍泉寺の
御本尊は弥勒菩薩。役行者、弘法大師、不動明王
が祀られている。弥勒菩薩の真言が書いてあった
ので唱えると、なぜだか下腹から野太い声が出た。
 ちなみに傘は、洞川温泉の久保治さんでお借りした。
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龍泉寺の正門。温泉街から川を渡ってすぐ…
というより霊山の麓の宿坊集落が温泉郷になった。
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役小角は舒明天皇期の634年に葛城で生まれた。
その茅原山の吉祥草寺からは、金剛山が望める。
子どもの頃から葛城の山中に分け入って修行を続け、
呪法を体得。やがて葛城・大峯の修験道を開いた。
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境内から山道へ続く石段は雨で滑りそうで断念。
上には一般の人も挑戦できる滝行場があるという。
その先は自然道で天川村で最も長い「かりがね橋」。
修験の道は、いま楽しい観光コースにもなっている。
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翌朝は好天に恵まれ、五條市(宇智)へと移動。
そこに隼人と役行者を結ぶヒントはあるのか?
鍵は、バス路線も時おり並走する「丹生川」かも。


by utoutou | 2021-10-28 20:24 | 天孫氏 | Trackback | Comments(0)
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