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天孫氏は火の一族〈110〉記紀神話と隼人

阿陀比賣神社(奈良県五條市原町)は吉野川
のほとりに鎮座する延喜式内社。カーナビでは
 行き着かず、配達中の郵便屋さんに聞き山道を戻る。

迷うと山道…。つまり渓谷と山の境目に座している。
吉野川が大きく南に蛇行するあたりの右岸だ。
社務所はない。拝殿の格子から拝観、参拝した。

祭神は、木花咲耶比賣命、火須勢理命(富之須佐利)、
火明命、彦火火出見命、の4柱。春日造りの本殿は
江戸初期の建築。五條市重要文化財指定1号という。
境内社は八坂神社で素戔嗚命(牛頭天王)を祀る。
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宇智郡の中心だった宇智神社(現・五條市今井)と
同じ郡内であるこの古代の阿陀郷に鎮座。関係氏族
阿田隼人・大隅隼人、二見首。まさに隼人の里か。

あの日、午後になって訪れた公的施設で目にした
『五條の歴史と文化(五條文化博物館の常設展図録)』
に、「阿太の記紀神話と隼人」の記事があった。
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記事から、この地に神武らが立ち寄った伝承が知れる。
(以下要約)

☆ここは記紀神話と縁が深く、後の神武天皇は熊野
から山を超えて大和に向かう途中、吉野川の下流で
 鵜飼の祖・贄持之子(ニエモツノコ/古事記)と会う。

☆この阿陀の鵜飼とは、南九州から移住してきた
火闌降命(ほのすせりのみこと、海幸)を祖とする
 阿多隼人。阿陀比売神社は海幸兄弟とその母を祀る。

☆近内古墳など郡内の古墳では魚具が出土しており、
宇智の人々と漁労との深い関わりを示唆している。


神武が川で使用したという天磐舟(磐座)をはじめ、
 見過ごせない(見過ごしてしまったが)史跡が多い。
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神社の東にある「姫火懸の森(シメシカケノ森)」
とは、〜木花咲耶姫が御子を生むときに部屋に
 火を放った故事の伝承地〜(神社由緒)だという。
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海幸彦、鵜飼、漁具、南九州、素戔嗚命…。
吉野川は境内からは見えないので、やはり山の中としか
感じられないこの地に、海の民の痕跡があるとは。
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通りから少し上がった場所の鳥居は目立たない。
しかし、祖神を祀る人の絶えない歴史を物語る。
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ふと、木花咲耶姫の出産にまつわる伝承を思う。
姫は、安産を願って産屋の屋根を鵜萱で葺いた。
その信仰は、古来、琉球でも長く続いたと伝わる。

「鵜萱を葺いたというのは、どの一族の伝統でした?」
語り部に電話で訊ねると、意外なな答えが返ってきた。
「だから…ウガヤフキアエズ王朝の一族ですね」

それは隼人族を指すのか…? しばし、呆然とした。

by utoutou | 2021-11-11 19:10 | 天孫氏 | Trackback | Comments(0)
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