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天孫氏は火の一族〈114〉隼人の姫の城

鹿児島神宮の摂社・山神神社(右)は、古い石段
が続く、稲荷神社への参道の登り口あたりに鎮座。
どこまで伸びるのかと思うほど高木の繁る社叢の、
赤い鳥居を挟んで両側に、一対神のように祠がある。
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〜 山神神社
大山祗命(本宮御祭神の外祖父神)〜と説明がある。
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すると、向かって左は、大山祗神の妃神とされる
萱野姫かと思いきや、どうもそうではないようだ。

〜 大多羅知女姫神社 息長帯姫命 〜
正八幡宮としての鹿児島神宮の祭神・応神天皇の
 母神が祀られている。なぜここに? と微かに違和感。
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旅の後、「どう思い(視え)ますか?」と聞くと…。
「大多羅知女姫は神功皇后ではないでしょうね」
語り部がそう答えたので、思わず、私も言う。
「萱野姫かなと。大山祇という日神に対する月神?」
「はい、甕(壺)を抱えて月の雫を受けている」

壺を抱えた姫なら、久高島・伊敷浜の拝所に祀られ、
『琉球国由来記』に記されたカナイ真司(まじかさ)。
十五夜に降りてくると信じられた「赤い月の女神」だ。

今度は少し間を置いて、語り部は言う。

「いずれにしても、萱野姫、かぐや姫、月の女神…
そして、隼人族が崇めた女神だろうと思います」
「隼人を守護した女神が、大多羅知女姫だと? 」
「はい、多羅・加羅・新羅に繋がる縄文の女神…」

そう言えば「隼人大明神」とは瀬織津姫だったと、
 過去ログ「隼人と瀬織津姫」に書いたことがある。

 改めて、あの隼人塚から手の届きそうな山を思う。
周辺の地名はいま、霧島市「隼人町姫城」という。


旅のはじめの隼人塚で史跡館の人が教えてくれた。
↓「あそこに黒く見えるのが隼人たちが籠もった山で、
遠くに薄く見えるのが、霧島連山の高千穂の峰です」

あの日、隼人塚から霧島神宮へ山道を車で走りつつ、
姫城周辺には別の隼人塚や所縁の神社があると知る。
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「姫の城」は、「比売之城」「熊襲城」とも称された。
大和朝廷に反抗して一年以上に渡って立て籠もる隼人
を守護した姫神がいたという。その名は「桂姫」。
  

桂姫とは、いったい…?
〜 神功皇后が新羅を攻めたとき、桂姫も従軍して
武功があり、勝浦姫の名を賜り、その妹を姫木城
に迎えたという。〜(※『国分郷土史』下巻)

神功皇后の妹と伝承された姫は隼人を加護した神。
つまり、神功皇后姉妹と隼人は繋がっていたのか。

大多羅知女姫の項は、次回さらに続く…。
実は、この旅のメインに予定したのは、翌日渡った
 甑島に坐する大多羅姫宮。別名・大帯姫神社だった。







by utoutou | 2021-11-26 10:02 | 天孫氏 | Trackback | Comments(0)
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