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琉球国初代王・舜天〈18〉王統三代の義本王

ナスの御嶽(北中城村仲順)は集落発祥の地と
 伝わる拝所だが、舜天王統三代王の墓所という。

かつて宿泊したことのある旧コスタビスタ沖縄
ホテルから南東へ降った坂道の道沿い左に位置。
仲順(ちゅんじゅん)から屋宜原方面へ登った日
 は道に迷ってしまったので、今回はこのルートで。


数日前に訪れた舜天王の墓とも伝わる大里の
 食栄森御嶽のアーチを思わせる。和風な印象。
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 アーチ門と鉄扉の先が三代王を祀る岩上墓か。
 先には進めない。王妃墓も近くにあるらしい。
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 御嶽近くの新しい説明の石板(写真右)を読む。

     ナスの御嶽   中順(ちゅんじゅん)
〜仲順集落は、かつてナスの御嶽をクシャテ(腰当)
として南側に発展していったといわれる。
 御嶽の中にある琉球石灰岩が御嶽のイベ(神の在所)
であると考えられ、「琉球国由来記」(1713年)
には、神名は「ナスツカサ御イベ」で、安谷屋ノロ
が祈願する場所であったと記されている。
舜天・舜馬順・義本の3人の王が祀られている
との伝承もあるが、『北中城村史』(1970年)
によれば、義本王は王妃御墓に葬られたという。
なおイベの傍らには「舜天王之霊」・「舜馬順
王之霊」と刻まれた石碑が建てられている。〜
                   北中城村
琉球国初代王・舜天〈18〉王統三代の義本王_a0300530_15441275.jpg








 説明板の下に立て掛けられたこの古い石碑は、
これまで岩上のどこかにあったものだろうか?

右行には「義本王先生様御○○」と、左行には
「御嶽○○○」と刻まれているようだ。しばし
 見ていても分からず、立ち去ったのだったが…。
琉球国初代王・舜天〈18〉王統三代の義本王_a0300530_11125073.jpg







自宅に戻ると↑その「碑文の解読」を読んだ記憶
がふと甦る。他でもない「当銘のソントンの御嶽
を「忘れられた重要史跡」と記した宮古島出身・
稲村賢敷氏著『沖縄の古代部落マキョの研究』だ。


思えば、
数年前の今頃、私が那覇市牧志のさいおんスクエア
にある市立図書館で、その本を閲覧しているとき
 語り部が刊行年を電話でズバリ霊視した、本だ。
(ブログはこちら)。あれは、安里川に鯉のぼりが
 泳いでいた日。関係ない話だが、今年はどうだろう?
琉球国初代王・舜天〈18〉王統三代の義本王_a0300530_16395645.jpg






つい脱線してしまったが、
「ソントンの御嶽」つながりで、稲村氏の本はいま、
 机の上にある。その該当ページを開くと…あった。

あの石碑の刻字について、
〜(石碑の)一行は、義本先生様御墓であろう
 二行は、御嶽門仲順字民建であろう〜と「註」に。

案内してくれた区長の話として、これは昭和時代
に墓の改修をした門柱の字民(=集落の人たち)
が刻んだものだと、著者の稲村氏は綴っている。


つまり、義本王の子孫が中城湾を眼下に見渡す
 この地で、祖先王の墓を守ってきたというわけだ。
 実はこの御嶽を地元では「義本王の墓」と呼ぶ。
琉球国初代王・舜天〈18〉王統三代の義本王_a0300530_16403362.jpg






 本を読み進めると、アッと驚いて目が止まる。

ここ仲順部落では、住民の6割は義本王の子孫だ
といい、その氏名は、為朝や義本王の一字を取って
為安、為吉、為一、あるいは、義一、義昌などと
 称していると、稲村氏は著しているのだった。

そうだったのか…。

 稲村氏は続けて、苗字・名の始まりは明治期なので、
このことで為朝渡来説や義本王墓を認めるのは難しい
と記しているが、妙に信憑性のある情報ではないか?
 何か新鮮な気づきをいただいたという感じがした。










by utoutou | 2022-04-29 01:21 | 琉球王 | Trackback | Comments(2)
Commented by utoutou at 2022-05-03 20:24
> 匿名さん
ありがとうございます。帆掛けそばですか! 今度お邪魔してみます。
Commented by utoutou at 2022-05-03 20:50
> 匿名さん
そう言えば、辺戸の佐久間家の関係という義本王のお墓にも参ったことがあります。それから、実は新垣養蜂園の新垣さんには一度お会いしました。旧約聖書に詳しい方ですよね。いろいろ教えていただきました。かなり前のことなので、ちょっと懐かしいです🙂
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