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琉球国初代王・舜天〈31〉ミスマルの珠

ソントンの持っていた琥珀玉は、筑紫玉ともいう。
あるいは、「ミスマルの珠」とも呼ばれたようだ。
その輝く珠を、語り部は霊視したことがあるという

那覇で会った語り部とは、すぐ「珠」の話になった。

語り部が視たその珠は、火玉のように赤く両掌を
 合わせた上に乗るほどの大きさで、強い光を放っていた。
 おそらくそれは、龍宮城…つまり、琉球の海底洞穴の古層
  から、おのずと現れるようにして現れた、火炎宝珠だと。

古代天孫氏王朝を治めたという龍神スサノオを思わせる、
この地球に在るあまたの魂を統べる「ミスマルの珠」。
その至高の霊威は、珠を持つ者を太陽の王たらしめた。
語り部は、そう現代の神話をかみしめるように言った。


 2年前の今頃のこと、島に住む友人・A子と共に参った
島の南にあるスベーラの御嶽の奥宮(イビ)を思い出す。
(ブログは↓「スベーラの隠し御嶽」と「龍神スサノオ」)
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ちょうど、コロナ禍で初めて出された緊急事態宣言が
 明けた時期。斎場御嶽・三庫理周辺は澄み渡っていた。
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その足で渡った久高島も、浄らかな空気に満ちていた。
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あのとき、スベーラの御嶽の洞穴の奥へと進んで、
「スベーラのイビが分かりました」と電話すると、
語り部は(まるで神がかったように)言ったものだ。

「向津姫(瀬織津姫、久高島のアカララキ)がスベーラ
 の御嶽のイビの香炉に向かって、祝詞を上げていますね。
アメノミナカヌシ、タカミムスヒ、カミムスヒ…」

 流暢な話しぶりで、その部分しか聞き取れなかった。

「造化三神のことですか? それが、祝詞なんですね?」
 私が聞くと、「カタカムナの七首でしょうね」と答えた。
 祝詞は、「カタカムナのウタヒ」の一部だったようだ。

  御嶽を出た私は、スマホ検索でその「七首」を知る。

〜 マカタマノ アメノミナカヌシ、タカミムスヒ、
カミムスヒ、ミスマルノタマ 〜 という謡いだ。

〜 勾玉の 天御中主神、高御産巣日、神皇産霊、
御統(みすまる)の珠 〜 と、現代語に変換できる。


2年の時を経て、改めて「ミスマルの珠」の解説を聞く。
その珠は、「琉球王朝の三つ巴紋」にあたると言う。
「アマミキヨ、シネリキヨ、天孫氏」でもあると。
また「星、太陽、月」を象るものでもあり、
「天津神、国津神、元津神」を意味するものであると。

神々をも統る「ミスマルの珠」は琉球王の頭上にあった。
「舜天ソントンは、髪の毛をカタカシラに結った初めて
 の王だったと言われますが、それは、通説のように頭に
 コブがあったのではなく、珠を載せていたからだと思います」

  舜天王こそは、カタカシラ伝説の起源なのだと言う。


 王府時代以前の男性は、15歳の元服式を過ぎると、
髪の毛を頭の天辺で束ねて結った。この髪型は
 カタカシラと呼ばれた。写真は沖縄大百科事典より拝借
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by utoutou | 2022-07-12 21:21 | 琉球王 | Trackback | Comments(0)
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