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琉球国初代王・舜天〈35〉久高と百済

 旧盆の季節。テレビニュースで、3年ぶりに沖縄市で
  行われたという道ジュネー(エイサーのお練り)を見た。
そんななか、久高島の夏祭りと言えばテーラーガーミ
  (太陽神の祭り、旧暦8月)だなと思いを馳せていると…。
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  語り部からの電話。思わぬヒントが舞い込んだ。
   前回のブログ「真南(まふぇー)の御嶽」を読み、
   思ったことがあって…と、前置きしつつ言った。
 
 「宮崎(県)のどこかに、昔、百済から逃げて来た
   というフクチ王を祀る神社はありませんか?」

 いつものように唐突な質問で、宮崎県未踏の私には
   答えようもなかったが、「調べてみます」と即答。

  検索ですぐ浮かび上がった一社は、比木神社という。
  宮崎県児湯郡木城町にあり、百済の福智王を祀る。
  660年に滅亡した百済から渡来。やがて祀られたと。

その福智王と久高島にどんな関係があるのだろうか?
 謎解きはそう簡単には進みそうもないが、同時に、
 ちょっと胸が踊ってしまいそうな気がしたのは事実。

まさに、テーラーガーミの神歌(ティルル)である
『赤碗の世直し』では、 「ソウル」という謎の地名
 が「大和」の対句として繰り返し歌われるのだが、
 百済の首都は、現韓国の首都・ソウル南部にあった。

ちなみに、神歌では次のように歌われる。
 〜サウルからくだゆる、ヘイ (ソウルから下った)
アカワンヌユナワシ(赤碗の世直し)
 ヤマトからくだゆる、ヘイ (ヤマトから下った)
クルワンヌユナワシ(黒碗の世直し)
テーラーガーミー スルティ マブル ヘイ
(太陽神の霊力を受けた男たちがこの島を守る)〜


「世直し」とは、神酒を捧げるための盃のこと。
 テーラーガーミとは、男たちが神歌を歌いながら、
  扇子で土地を祓い浄めながら、島内を練り歩く祭りだ。
 赤丸は太陽神(男神)を表している。朝日の強い霊力
  を受けた「若てぃだ」こと、ソントンを彷彿とさせる。
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ソントンとテーラーガーミと、百済から渡来の福智王。
いったいどう繋がっていくのか? 繋がらないのか…。

分かっていることは少しある。比木神社のある宮崎県
 児湯郡(古代は子湯県)はヤマト古代豪族・日下部氏、
 隣接する諸県は葛城氏に深い縁のある土地だった。

 日向の国。702年に薩摩国、713年に大隅国が設置
  されるまで、南九州は広く全域が日向と呼ばれた。
  南島や大陸にも繋がる海人の国だったと考えている。
琉球国初代王・舜天〈35〉久高と百済_a0300530_12525679.jpg
※隼人塚史跡館(霧島市)の展示から拝借







by utoutou | 2022-08-12 19:59 | 琉球王 | Trackback | Comments(0)
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