せっかく寄せられたコメントを、申し訳ない ことに削除してしまったので、こちらで返信を。 コメントの発信者は、ウチナンチューの匿名さん。 前回書いた「西都原古墳から出土した船形埴輪」が、 沖縄海洋博公園(海洋文化館)に展示されている カヌーに似ている」との感想。私も7月に海洋博公園 に行ったことを思い出した次第。こちら美ら海水族館。 ![]() また、 その方の大伯父さんは「親に勘当されてガマ(洞穴)で 生活をしていたことがある」とのこと。「船」と「ガマ」 から普遍的で広汎な民族性を感じ、本日の話に続く…。 思えば、西都原の船型埴輪は韓国から出土した船形土器 にも似ているし、福岡県の珍塚古墳や、エジプトの センネジェム古墳壁画の船とも似ている。それは紀元前 13世紀のものというから興味深い(国立博物館より)。 ![]() その↑「太陽の船」と、珍敷塚古墳(福岡県浮羽郡) の壁画に描かれた船は酷似していると「本当の日向」 に日下部氏に絡めて書いたこともあるが、いま改めて その海洋性や、独特の神観念について思い至るわけだ。 前回の「隼人は穴に住む」を読んで、語り部は言った。 「昔、こんな諺を聞きました。〜(ガマは)生きていて も家(うち)、死んでからも家(うち)〜だと」 ガマはニライカナイに通じるのだろうと、感じられた。 島々の洞穴では、真水が確保できるし、雨風も凌げる。 藪地洞遺跡で約1万年前の人骨が出土したという報道 は記憶に新しく、県内には他にも洞穴貝塚が多数ある。 思えば、日下部氏に所縁のある草壁吉見神社の 「下がり宮」も「洞穴(ガマ、地中)=聖地」の発想 で造られた、神社空間だったのではないだろうか。 鳥居から境内までは、まるで地の底へと降りていく ような急階段だったが、それも「地の底は聖地」と いう古信仰があってのことだったのだろうと思える。 ![]() 穴の中、海の底、地の底を崇めるのは太陽信仰の要。 そこには、西に沈んだ夜の太陽が東に進む海路がある。 「隼人の盾」に描かれた渦巻きも、死と再生の表現か。 西都原の東に鎮座する都萬神社の縁起には、 「日下部氏の祖先は、土中から男女一人ずつ生まれた」 と、その古い「土中出生伝承」が綴られている。 その神観念は、やはりニライカナイ信仰に繋がる…。
by utoutou
| 2022-08-29 18:06
| 琉球王
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Comments(3)
> 匿名/うちなーんちゅさん
返信ありがとうこざいます。昔から琉球の海人は、竹などを編んで繋げて双胴船にした丸木舟に荷物を積み、奄美など着いた先では繋がりをバラした材料で家を建て、帰りはまた船を仕立てて交易物を積んでくると聞いたことがあります。いわゆるトランスフォーマーの船ですね。 洞穴(ガマ)は私自身が好きなので、伯父様の話に共感していました。ガマに入ると「ここなら住めるかも」と呟いています(笑)。もうしばらくは「地の底・海の底」の話が続きそうです。
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> 匿名/うちなーんちゅさん
地底・海底は、太陽神・竜宮神の「すみか」だから「ニライカナイ」なんでしょうか。島のベンチに座って水平線を見ているおじいおばあに今度、聞いてみようかと思います。笑
> 匿名/うちなーんちゅさん
沖縄の民間伝承で伝わる天王ガナシーは、「天地(あめつち)の大神さま」とも呼ばれるようですが、天(空・海)と土(陸)のすべてを司るから大神なのでしょうね。ヤマト神話のスサノオと同一神とも言われ、そうなると「夜の太陽」とか「龍神」でもある。理想郷・ニライカナイに相応しい神様のように感じますね。 ピカンダ…アセロラに似た小さくて赤い実ですよね。見たことはありますが、薬効があるとは知りませんでした。今度、食べてみたいなと思いますけど、ちょっと苦そうですね。笑
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![]() by utoutou
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