東シナ海の北と南で800㎞離れている済州島と琉球本島 だが、浦添城跡と首里城から発掘された高麗瓦から も、ふたつの島の密接な交流関係が窺えるようだ。 高麗瓦の刻印から造られたのは1273年とされるが、 それはモンゴルの侵略に抵抗して高麗軍(三別抄) が済州島に立て籠もったものの、鎮圧された年。 琉球に落ち延びた人がいたとの説もある。 当時の耽羅は高麗の支配下にあった。 さて、前回のブログで、 「田道間守が持ち帰った非時香菓」 について、その橘の生る常世の国とは耽羅国 ではないかと書いた。久高島の日の出を眺めながら、 橘に託したかもしれない古代人の思いを想像していた。 ![]() 司馬氏は「古代に古い形の柑橘類が自生していたと してもおかしくはない」と、項を締め括っている。 ![]() ![]() 実は、久高島の浜ではもうひとつのことを考えた。 赤や橘という太陽の色への古代人の心情について…。 それは「てぃだが穴」を崇める思想とよく似ている。 地の底・海の底は、常世の国。龍宮には龍神が住む。 龍蛇神の目は赤く輝くからこそ、神に見立てられた。 その海から昇る「若てぃだ」は、不死で不滅の神だ。 朝鮮半島と習俗の異なる済州島にも蛇神信仰がある。 やがて琉球国初代王・舜天を生む母体となったのは、 東シナ海を自在に往来した黒潮の民ではなかったか。 旅の最終日の朝、 安座真港(南城市)近くで、北に面白い雲を発見。 那覇市や本島中部からも見えたようだ。 「かなとこ雲」の前に浮かぶ雲は、『耽羅紀行』の 表紙↑に載る済州島の守り神・トルハルバンに見えた。 ![]()
by utoutou
| 2022-09-20 12:31
| 琉球王
|
Trackback
|
Comments(3)
> 宮城さん
お知らせ、ありがとうございます。シェアさせていただきます。
1
> 匿名/うちなーんちゅさん
返信遅れ失礼しました。トルハルバンは玄武岩か花崗岩でできているそうですが、シーサーのようだなと、私も思いました。済州島にはトルハルバン公園があるとか。行ってみたいですね。
> 匿名/うちなーんちゅさん
もともとが二体一対だったのか、後から一対型ができたのかは分かりませんが、済州島の発祥地・三姓穴に立っているトルハルバンや、東京の荒川区に贈呈されたものも一対のようですね。
|
![]() by utoutou
カテゴリ
全体 ミントングスク 久高島 イザイホー 玉城 語り部 城(ぐすく) 天孫氏 御嶽 スサノオ 出雲 神社 琉球の神々 伊勢 洞穴(ガマ) 龍蛇神 ヤマトタケル お知らせ 天女伝説 斎場御嶽 ナーワンダーグスク 石垣島 九頭龍 瀬織津姫 琉球の玉 舜天 琉球王 グスク・御嶽 最終章 未分類 最新の記事
以前の記事
2023年 09月 2023年 08月 2023年 07月 2023年 06月 2023年 05月 2023年 04月 2023年 03月 2023年 02月 2023年 01月 2022年 12月 more... 画像一覧
最新のコメント
最新のトラックバック
検索
記事ランキング
ブログパーツ
フォロー中のブログ
ブログジャンル
外部リンク
ファン
|
ファン申請 |
||