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辺戸岬の御嶽廻り〈2〉もうひとつの黄金伝説

「最初のアシムイノマク(古代集落)はここだと思う」
と、語り部が言う場所の周辺には田畑の跡があり、
近年まで人々の生活が続いていたことを思わせた。

高度100mほど? 高地性集落だったようだ。
アシムイノマクからは道が急勾配になる。大雨の後で
湿る足元を何かが走る。「悪い蛇じゃない」と語り部。
立ち止まり、指差す方を目で追う。既に、姿はない。

アシムイノマクは、国頭郡宜名真(ぎなま)にある。
アアシムイの御嶽へと登るカミンチュ・ルートは、
私が1ヶ月前に登った辺戸集落からのルートの反対側。
西海岸沿いに位置する宜名真集落を登り口としている。


さて、アシムイノマクから登山道を進むこと33分。
着いた頂上には、このような景色が広がっていた
辺戸岬の御嶽廻り〈2〉もうひとつの黄金伝説_a0300530_06502211.jpg







眼下に、宜名真魚港(写真右手)が見える。
つまり…アシムイの御嶽へは、西の宜名真ルートを
登れば、宜名真集落の上方に出る。いっぽう、東側
の辺戸ルートから登れば、辺戸集落の上方に出る。

おそらく南北30m、東西10mほどの広さがある
アシムイの御嶽の頂上。南と北の端が登山道のゴール
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アシムイの御嶽(辺戸御嶽)周辺地図。地図左下
の宜名真漁港を、△248mあたりの頂上から見た?
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西と東の幅は狭く、これ以上は引けないアングル。
また、これ以上は腰が引けるので崖下は覗けない
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北の端には、1ヶ月前のブログに掲げた拝所がある。
少し長めの挨拶をし終えて振り向いた語り部に、
私は満を持した思いで、こんな質問をした。
「黄金森の由来になった黄金洞は、辺戸側なんですね」
「いや、それが違うらしいのです」
「また別の黄金洞があるのですか?」
「黄金洞は宜名真側にあるという伝えもあるのです」
辺戸岬の御嶽廻り〈2〉もうひとつの黄金伝説_a0300530_07493769.jpg







辺戸には「黄金洞は辺戸側にある」という伝説がある。
宜名真には「黄金洞は宜名真側にある」という伝説が。

語り部は、宜名真側が古くて真なる伝えだろうと言う。
その麓には琉球王朝の始祖・尚円王の上陸伝説もある。




by utoutou | 2023-04-28 17:03 | グスク・御嶽 | Trackback | Comments(0)
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