南城市百名の海岸にある薮薩の御嶽。 地元では、これを「ヤファサチの御嶽」と呼んだ。 ヤファとは、船が明澪に入り心穏やかになること。 アマミキヨ渡来の御嶽・ヤハラヅカサの「ヤハラ」も、 「柔らかい」とか「和らぐ」という意味がある。 アマミキヨは、百名に着岸して心が穏やかになった。 夏至の翌日(6月22日)7時過ぎのヤハラヅカサ。 ちょうど夏至前後の数日、沖縄へ行っていた。 満潮で、石碑は水没寸前(写真右)となっている ![]() 例えば、薮薩の御嶽近くの人気カフェは、やぶさち。 車で5分ほど南にある人気カフェ「浜辺の茶屋」が ある場所はさちばる、「先の原」という意味がある。 どちらも先端なので海を見渡す絶好のロケーションだ。 そうすると、「薮薩の御嶽」という名にある薮も薩も、 地元に伝わってきた言葉ではないということになる。 ![]() ↓15年前はこうだった。木々の背丈はまだ低く、 フェンス際から海が見通せた。語り部の少年時代は、 木を伐採しながら進んだという(ブログはこちら) ![]() 久しぶりに薮薩のさちを訪れたのは、語り部が、 ここにあったという御嶽を思い出したからだった。 「戦前、〝白鳥(しらどぅい)の御嶽〟があったと 聞いたんです。それは海中のヤハラヅカサと一対で 船玉神(船の守り神)が祀られていたそうです」 そして、古典歌謡の「白鳥節」を口ずさんでくれた。 〜御船の高艫に白鳥がゐちやうん 白鳥やあらぬ 思姉(うみない)おすじ〜 (舟の船尾に白い鳥が止まっている。いや、あれは白い 鳥ではなく、妹(姉)のおなり神である) 九州の西海岸沿いに点在するというヤボサ神社。 その御神体は船玉神だと柳田國男氏は書いたが、 沖縄本島南部・百名の地にもその御嶽があったとは。 ヤファサチは、旧アマミキヨの渡来にちなんだ呼称。 薮薩は、新アマミキヨの渡来にちなんだ呼称。 ヤファサチと藪薩、呼び方は違うが、どちらも船玉神 を祀っていた、先史時代から…。と、いまは考える。 「薮薩の御嶽は、ウ(御)サチ・ミントンでもある」そう伝承される海には南から北から渡来の船が着いた。 藪薩の御嶽の内部。真ん中↓で光るのが夏至の太陽 ![]()
by utoutou
| 2023-06-26 14:29
| グスク・御嶽
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![]() by utoutou
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