ハビャーン(蝶)とも呼ばれる久高島のカベール岬。 なぜ島の最北の岬に、蝶(ハベル)の名がついたのか? そもそもカベールとは、どんな意味だったのか? いまさらながら、久高島の聖地の由来が気になる。 語り部に聞くと、 「ハビャーンは重要な御嶽ですよね」と即答する。 「アマミキヨが降臨したという神の島の御嶽ですから」 至極明快な答えだ。そこで、自分なりにも考えてみる ![]() 出雲・美保神社の事代主神の神話にみる蝶形の扇の そもそもの由来は、蒲葵扇(クバオージ)と言われる。 古来、クバの木は蛇(龍蛇神)に見立てられ、それを 依り代にして龍蛇神の神霊は舞い降りると信じられた。 クバの葉の扇もまた龍蛇神の依り代として崇められた。 それを模した蝶形の扇は、風を起こし吉を招く祭具。 現代でも、軍配扇が蝶形をしているのはそのためか。 とにかく久高島・最北の岬・ハビャーン(蝶)に、 アマミキヨが降臨したという神話が息づいている ことは、現地に立つ案内板にも謳われている通り。 〜琉球開闢の祖アマミキヨが降臨、あるいは 上陸した地とされる。(後略)〜 まさに蝶が招き寄せるように羽を広げ、祖神を迎えた なら、この聖地は蝶(ハビャーン)の神名に相応しい ![]() では、この岬が「カベール 」とも呼ばれる理由は? 漢字表記では「神谷原」と書いて、カベールと読む。 ウチナーグチでは「原」をハラ・バラと発音するので、 「カベール 」はカミタニバラとかカミヤバルの転化なのか? 神谷という地名(人名)が津堅島(うるま市)にもある ことを思い出したのは、何日か経ってからのことだった。 津堅島で続くマータンコーという祭りについてはブログ に少し書いたことがあるが、その祭りでは2つの集落から 来た設定の青年たちが、踊りや歌を奉納するのを見た。 集落とは津堅村と神谷村。神谷の名は確かに津堅島にある ![]() 津堅島と久高島は、少なくとも昭和初期の頃まで 「双子の島」と呼ばれていたという。また、沖縄本島 から有見島(久高島)に渡るのに、津見島(津堅島) を経由したという、当時の新聞記事を図書館で読んだ。 ふたつの島が、「神谷」という地名を共有している。 太古、ひとつの島だったと語り部は言っていたものだ。
by utoutou
| 2023-07-18 16:37
| グスク・御嶽
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