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黒潮の民〈8〉久高島の聖地・ハビャーン

ハビャーン(蝶)とも呼ばれる久高島のカベール岬。
なぜ島の最北の岬に、蝶(ハベル)の名がついたのか?
そもそもカベールとは、どんな意味だったのか?
いまさらながら、久高島の聖地の由来が気になる。

語り部に聞くと、
「ハビャーンは重要な御嶽ですよね」と即答する。
「アマミキヨが降臨したという神の島の御嶽ですから」
至極明快な答えだ。そこで、自分なりにも考えてみる
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出雲・美保神社の事代主神の神話にみる蝶形の扇の
そもそもの由来は、蒲葵扇(クバオージ)と言われる。

古来、クバの木は蛇(龍蛇神)に見立てられ、それを
依り代にして龍蛇神の神霊は舞い降りると信じられた。
クバの葉の扇もまた龍蛇神の依り代として崇められた。

それを模した蝶形の扇は、風を起こし吉を招く祭具。
現代でも、軍配扇が蝶形をしているのはそのためか。

とにかく久高島・最北の岬・ハビャーン(蝶)に、
アマミキヨが降臨したという神話が息づいている
ことは、現地に立つ案内板にも謳われている通り。

〜琉球開闢の祖アマミキヨが降臨、あるいは
上陸した地とされる。(後略)〜

 まさに蝶が招き寄せるように羽を広げ、祖神を迎えた
 なら、この聖地は蝶(ハビャーン)の神名に相応しい
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では、この岬が「カベール 」とも呼ばれる理由は?
漢字表記では「神谷原」と書いて、カベールと読む。
ウチナーグチでは「原」をハラ・バラと発音するので、
「カベール 」はカミタニバラとかカミヤバルの転化なのか?

神谷という地名(人名)が津堅島(うるま市)にもある
ことを思い出したのは、何日か経ってからのことだった。

津堅島で続くマータンコーという祭りについてはブログ
に少し書いたことがあるが、その祭りでは2つの集落から
 来た設定の青年たちが、踊りや歌を奉納するのを見た。
集落とは津堅村と神谷村。神谷の名は確かに津堅島にある
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津堅島と久高島は、少なくとも昭和初期の頃まで
「双子の島」と呼ばれていたという。また、沖縄本島
 から有見島(久高島)に渡るのに、津見島(津堅島)
 を経由したという、当時の新聞記事を図書館で読んだ。

ふたつの島が、「神谷」という地名を共有している。
 太古、ひとつの島だったと語り部は言っていたものだ。



by utoutou | 2023-07-18 16:37 | グスク・御嶽 | Trackback | Comments(0)
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