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黒潮の民〈13〉龍脈は北へ続く

過去ログに「天孫氏は火の一族」というシリーズ
があり、2年余りにわたって続けていたのだったが、
思えば、天孫氏とは、「7つの首の蛇」と呼ばれた
 沖縄本島の東縁に連なる島々にいた海神族のことだ。

伊計島、宮城島、平安座島、浜比嘉島、藪地島、
津堅島、久高島。「7つの首の蛇」はその島々をいう。
伊計島・セーナナーの御嶽はその痕跡と考えている。

つまり…「7つの首の蛇」とは、
「7つの首の蛇」にいた「7つの首の蛇」なのだった。
津堅島の祭り・マータンコーに登場する、島の人々を
苦しめる「7つの首の蛇」とは怪物ではなく、むしろ
海神族が崇めた海神・龍蛇神・大綿津見神だった。


勝連城跡・あまわりパーク(うるま市)の↓展示で、
7島のうちの6島(最南の久高島は南城市に)を見た。
御先東世(うさちあがりゆー)の島々は「北斗七星」
と呼ばれたというが、龍の背、龍脈のようにも見える。

島々の中には、1万年前の人骨が出た藪地洞穴遺跡や、
貝塚時代後期(ヤマトの弥生〜平安時代)の遺跡など
があり、鉄や弥生土器が出た。交易の拠点でもあった
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 与那城(うるま市)から見る藪地洞貝塚のある藪地島。
'21年秋に貝塚時代最古、1万〜9千年前の人骨が出た
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さて、天孫氏はどこから来たのか…? については、
「火の一族であり、オリエントから来た古代産鉄族」
「御先東世からヤマへ北上した」と、天孫氏シリーズ
にも書いたが、あのマータンコーの祭りで表現される
「大蛇の尾から出た剣」は、産鉄族の暗喩に他ならない。

火の一族の手法は、水辺の植物の茎に成る褐鉄鉱(スズ)
 を用いる製鉄。スズは干瀬(ヒシ)でできたと考えられる。
ちなみに、隼人の言葉で海の中洲を必至(ヒシ)という。
海神族は、干瀬の龍脈(鉱脈)を辿って北へ移動したか?

『大隅國風土記』逸文に「大隅國の必至の里があった」
とのくだりがあり、現在の鹿児島県曽於郡大崎町菱田と
の説があるが、曽於郡は「隼人の故郷」として有名な地。

 いっぽう、マータンコーを酔わせた酒とは、口噛み酒。
若い女性が水と米を噛んで吐き捨て、醸す古代造酒法
 だが、この「かむ、かもす」文化も隼人の風俗だった。
  龍脈を思わせる島々には、隼人ら海神族の伝承が連なる。

ところで、ヤマト神話のなかの海幸山幸神話において、
隼人は海幸彦として描かれ、山幸彦に服従することに
なるが、海幸彦とは隼人に限らず、古代大和豪族の尾張氏
や安曇氏など、海神族の総称ではなかったか、と思う。

海神族(=天孫氏)は、ヤマトの皇室を中心とする
 山幸彦系の高天原族(=天孫族)に吸収されたのだろう。

南(太平洋)から渡来したのは、天孫氏。
北(大陸)から渡来したのは、天孫族。
上古の琉球諸島に栄えたのは、古代天孫氏王朝。

古代と銘打たない天孫氏「新」王朝もあったとされる。
『中山世鑑』は、それは25代の王統だったと記した。
語り部は、それは海神族が蘇らせた王朝だったと言う。

本島最北・アスムイの御嶽から遠望する、ヤマトの方向
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by utoutou | 2023-08-22 20:01 | グスク・御嶽 | Trackback | Comments(0)
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