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卑弥弓呼〈 9 〉狗奴国はどこか

『魏志倭人伝』の言う邪馬台国はどこにあるのか?
女王・卑弥呼の奴国と卑弥弓呼の狗奴国はどこだ?
 といったテーマを、実は避けてきたような気がする。

 「邪馬台国は大和か九州か」という邪馬台国論争には
  興味がなかったわけではない。どちらかというと九州説
   を支持して、古田武彦氏の講座を受講したこともある。

「狗奴国は熊襲である」と書いた松本清張氏説も読んだ。
「狗奴国は九州倭国だった」とする水野祐説氏も読んだ。
「熊襲の狗奴国が女王国を破った」などの森浩一氏説も。

  よく奈良盆地を旅した当時は、大和説も読んだりした。
 『魏志倭人伝』そのものより、むしろ「論争本」だが。

 主だった九州説では、狗奴国は現在の熊本県の菊池川
 や球磨川沿いにあった、とする。まさにそれは語り部の
視る「大王が国見岳と阿蘇山を背に立つ日高見の国」だ
  と、ここへきて考えるけれども、大王の現れた時代とは、
  ヤマトタケルが熊襲征討に出たと伝説にいう4〜5世紀。

 いずれにしても魏志倭人伝の3世紀とは時代が異なる。
  ということで、反射的に1冊の本に思い至ったのである。

 昭和59年)がそれで、希少な「邪馬台国・沖縄説」本。
7年前に一読した後、部屋のどこかに埋もれていた。

そう言えば、昨年末、一支国博物館(壱岐島)の
廊下で、電飾の魏志倭人伝を見たときも、後半の
「此女王境界所盡」(これ女王の境界の尽くる所)と、
「其南有狗奴国」(その南には狗奴国有り)のくだりで
原田説が甦った。「尽くる所」とは鹿児島最南端の島か?
卑弥弓呼〈 9 〉狗奴国はどこか_a0300530_06375363.jpg










原田氏の研究による『魏志倭人伝』の読み解きでは、
奴国は与論島、狗奴国は沖縄諸島ということである。

また、
邪馬台国・九州説が言う狗奴国(現・八代市)は、
原田説では、沖縄の狗奴国にいた熊襲族(球磨族)の
植民地だったが、卑弥呼の死後、北上して、八代市を
 河口とする球磨川を遡り、人吉盆地に定住したという。


人吉盆地(地図は国土交通省HP球磨川より拝借)は、
赤色で示された球磨川に沿って三日月の型に広がる。
県境の東北に国見岳(赤丸は当方の加工)が位置する

卑弥弓呼〈 9 〉狗奴国はどこか_a0300530_10395898.png







原田氏著『古代日本正史』付録の邪馬台国の位置図。
邪馬台国とする西都から狗奴国までを「1万2千里」、
斯馬国(種子島)から奴国(与論島)まで、21島ある
 奄美諸島を、「女王国以北(の国々)」と読み解いた。
すると「奴国の南」に位置する沖縄本島が狗奴国となる
卑弥弓呼〈 9 〉狗奴国はどこか_a0300530_06281164.jpg








ようやく狗奴国・沖縄説を書いたこともあり、
その位置について、語り部の意見を聞いてみる。

「卑弥弓呼がいた狗奴国の位置はどこだと思います?」
すると、淀みなく語り部は言ったのである。
「那覇あたりだと思っていましたよ、前々から」
「あ、そうだったんですかー」
 つづく…

by utoutou | 2023-09-21 16:18 | Trackback | Comments(3)
Commented at 2023-09-26 17:00
ブログの持ち主だけに見える非公開コメントです。
Commented by utoutou at 2023-09-27 15:21
> taso7さん
コメント、情報、ありがとうございます。
宮崎県の西都原古墳群、行きたいですね。11月5〜6日に陵墓が一般開放されるとか。もちろん考古博物館も拝見したいですし、以前に書きました比木神社https://mintun.exblog.jp/241557517/など児湯郡にある各社も廻ってみたいです。卑弥呼伝説もそうですが、熊襲・日下部・葛城の繋がりを感じながら、歩いてみたいなと。ちょっとその気になって計画してみます💕
Commented by utoutou at 2023-09-28 13:12
> うささん
コメントありがとうございます。球磨郡に隣接する西米良村のホームページをいま拝見、村の桜が満開の美しい写真でした。いつだったか西都原や高鍋のことを調べたとき、一ノ瀬川はどこが源流なのか?と思い地図を見ていたのですが、一ノ瀬ダム? から西米良村はホント近いですよね。いまの時代はポツンと一軒家かもしれないですが、あのとき、古代はひょっとすると肥後へと突っ切る川か馬道があって、隠れた交通の要所だったのでは?と妄想しました。三尾の狐の石像も、狭上稲荷という神社名も気になりますね。いよいよ旅に出たくなりました。笑
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