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卑弥弓呼〈 10 〉火須勢理命(ホノスセリノミコト)

狗奴国は那覇にあったと思う…と、語り部は言う。
その伝承も、そう言えば、何度か聞いたことがある。

「(那覇の)天久(あめく)には、卑弥呼の末裔の一族
が本土から里帰りして住んでいた。代々伝わった巻物も
あったが、今次の戦争で分からなくなったらしい」と。

過去ログ「天久宮はアマミキヨ宮」にも書いたが、
民間伝承をまとめた『琉球祖先宝鑑』によれば、
天久(現住所は泊)の村にはアマミキヨ三世がいた。

一世の志礼仁久と安摩美姑には、13人の子がいた。
二世の天美人加那と巣出美人加那志には、
10名の子がいた。
三世の天太子大神加那志と竜宮女大神加那志には、
20人の子がいた。

ということは、ここ天久村にいた
三世の天太子大神加那志と竜宮女大神加那志の
 一対神が卑弥弓呼と卑弥呼だった可能性は大いにある。

いやいや、『魏志倭人伝』の卑弥呼と卑弥弓呼は
「素より和せず」の敵対関係。一対神のはずはないが。

とはいえ「里帰りした卑弥呼の一族」という伝承は、
 語り部の「狗奴国・那覇説」とリンクして興味深い。
なぜなら、語り部は、卑弥呼と卑弥弓呼は、元々は
ウミキ(男王)・ウミナイ(その妹の日巫女)の関係
だと考えている。不仲なのは訳あってのことだろうと。

それにしても、天久の地名を『魏志倭人伝』に関連した
話題で聞くことになろうとは、まさかの展開である。 


琉球八社のひとつである天久宮(あめくぐう)には、
境内に泊龍宮神などの古来の御嶽がいくつかあるが、
神社創祀由緒にある王府の守護神・弁財天の宮もある
卑弥弓呼〈 10 〉火須勢理命(ホノスセリノミコト)_a0300530_10274849.jpg








 首里城の西のアザナ(物見台)からの天久宮方面。
中央左側↓に写る新都心ツインタワーの海側にあたる
卑弥弓呼〈 10 〉火須勢理命(ホノスセリノミコト)_a0300530_19035331.jpg








ところで、話は他でもない卑弥弓呼のことに戻るが…
仮に卑弥呼がアマミキヨ神で、卑弥弓呼がその一対神
 とするなら、ある神名を思い起こさずにはいられない。

アマミキヨ直系ミントン家の伝承にはこうあるのだ。
「アマミキヨの夫は、ソネ彦と呼ばれた」と。

表記は「曽根彦」か「襲根彦」か。いずれにしろ、
「曽」「襲」の根の日子。「根」には本家の意味がある。
また「ソ」とは『肥前風土記』などに記されるように、
景行天皇が熊襲を征討した球磨贈於(くまそ)の意味。

「語り部の前に現れた」「日高見の王」の背景には、
阿蘇山が、またその手前には国見岳が視えたという。
その立地は熊本県の球磨川沿い、人吉盆地あたりか…。
狗奴国とアマミキヨがどうも繋がってくる気配がする。


そもそも、
卑弥弓呼というこのシリーズが始まった経緯は、
語り部が、「卑弥弓呼はホノスセリの子孫では?」
 と言ったことからだったが、そのホノスセリはご存じ、
木花咲耶姫が天孫・邇邇芸尊との間に生んだ三皇子の
第一子にあたる(※『日本書紀』)。三皇子の順番は
諸説あるが、『古事記』には兄・火須勢理命とある。


ただし、海幸山幸物語の聖地・鹿児島神宮の縁起では、
兄(海幸彦)は火照命で「隼人の祖」、弟(山幸彦)は
日子穂穂出見命となっており、ホノスセリは登場しない。
※↓フリップは霧島市の隼人塚史跡館の掲示を撮影
卑弥弓呼〈 10 〉火須勢理命(ホノスセリノミコト)_a0300530_19110294.jpg






語り部は言う。
「三兄弟に関して諸説あるということからしても、
  ホノスセリが神話から消された可能性はあると思います」

 ホノスセリ→卑弥弓呼→熊襲→日高見の王。そして、
 日高見の王が国の未来を託した、皇子・ヤマトタケル。

 その系譜は、龍神・海神を神祖とする古代天孫氏王朝に
 遡るのではと、おのずと紐解けてきそうだが、さて…?





by utoutou | 2023-09-28 21:38 | Trackback | Comments(2)
Commented by J-TAMANORI at 2023-10-25 22:58 x
いつも拝見してます。
youtubeより、卑弥弓呼→上代東国語で「日本子(ひもとこ)」だそうです。
https://youtu.be/ysz7RjReCOI?t=30
言語学には詳しいわけでなく、つまみ食い的な知識で恐縮ですが…
まさに日高見の王のことかと思い、コメントさせていただきます。

また、この方の解釈だと卑弥呼→姫子ですが、ウミナイであることは間違いないようです。
https://youtu.be/0dCEnI-YOMI?t=318
Commented by utoutou at 2023-10-26 14:16
> J-TAMANORIさん
コメントありがとうございます。言語学からのアプローチなのですね。なるほど…と思ったり、ではその点は我々の考えとどう繋がるのか…とか思うと、見当識みたいなことが揺らいで、逆にちょっと楽しい感じがしました🤗
他にもyoutubeにあがっているテーマがありましたので、もう少し拝聴してみます。感謝です🙇‍♂️
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