秦氏は沖縄の島々にも来たと、語り部は言った。 琉球八社のひとつ・天久宮(那覇市泊)の近くに、 「中世(なかよ)の玉依姫」と呼ばれる神女がいた。 琉球王朝第三代・尚真王の時代のことだったが、 なぜ玉依姫が秦氏との関わりを思わせるかと言えば、 崎樋川(さちひーじゃー)遺跡(貝塚)の丘の上に 住み、畑で苧麻(ちょま、ウチナーグチで「う」) を育て、できた糸で織物をして生計を立てていた。 宮古上布の素材として有名な苧麻でハタ織物をする 「中世の玉依姫」は、秦氏系の織姫だったのだと思う。 神人や神女が、自らに憑く神名を名乗ることはない。 が、中世の「玉依姫」は言った。神魂は玉依姫だと。 伝えられた本名は、翁主乙樽(おうしゅうとぅだる)。 意味は今ひとつ不明だが、王家との関係かもしれない。 ☆☆ 後日、語り部に改めて聞いた。念押しのつもりで。 「中世の玉依姫は、秦氏の神女なんですね?」 すると、話は思いもよらない展開となった。 語り部は言う。 「古代から、玉依姫と言えば、神霊が憑りつく神女の こと。琉球では「さーだか(霊力高い)」と呼ばれる。 例えば、神武天皇の母上は玉依姫だと言われますが、 一般的にも、玉依姫とは神の魂が依る姫として、 一族ごとに継承された神女のことなのだと思います。 そして天久にいたこの玉依姫は、秦氏と同族の姫です」 秦氏なら話は分かるが、同族…って誰なんです? 「鴨氏でしょうね。秦氏と鴨氏との関係が深いのは、 よく言われることで、ほぼ同族。京都・賀茂神社の 下社では、鴨氏が秦姓を賜り祭祀に関わっていますね。 また、京都の貴船神社にも玉依姫が祀られていますが、 こちらの鴨氏も、秦氏との関係が深いのですよね」 では「中世の…」と呼んだのはなぜ…? 「御先(うさち)世、つまり古代の天久にも、鴨氏の 玉依姫がいたか、里帰りしたのか、なのだと思います」 八幡神から一気に話が飛んでしまったが、ここで、 こちら天久の弁財天堂。「天久宮の天女は弁財天」 より。偶然とは思えない佇まいではないかと思う… ![]()
by utoutou
| 2023-11-08 17:02
| 天孫氏
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