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天孫氏は火の一族〈135〉御佩劍(みはかし)

娘たちを襲う7つの首の蛇を酒で酔わせて退治
すると、その腹から光り輝く剣が出た…沖縄本島
の東に浮かぶ7つの島に、ヤマト神話「八岐大蛇」
と似たマータンコーの伝説と祭りがあることは、
再三(など)書いた。私が出会った唯一の口承者
 は語り部だったが、なんと今夏、二人目に出会った。

 那覇在住のバレエ・アーチスト緑間玲貴(みどりま
 りょうき)さんだ。夫人でプリマの前田奈美甫さんと
  共にトコイリヤと銘打つオリジナル作品をシリーズ化
 するなか、'21年に「御佩劍(みかはし)」を発表。

 '22年にそれは那覇芸術劇場なはーとでの「こけら
  落とし」として、また国立能楽堂(東京)では、
  沖縄復帰50周年記念として上演、高評価を得た。
※緑間玲貴さん公式webサイトはこちら

  御佩劍とは、貴人が佩く(帯刀)する劍のことだ。
 八岐大蛇神話で、素戔嗚命が退治した大蛇から得て
 天照大神に献上した天叢雲剣であり、後に、先住族
   征討に出た皇子・倭健命の佩いた劍でもある。

ヤマト神話の英雄・ヤマトタケルをテーマにした
作品を沖縄出身のアーチストが世に出すという
融合の発想は企画だけでなく、演出面でも発揮
されている。いっぽう琉球王府時代の神事の祝詞
だった「おもろそうし」の歌唱法を研究して劇版
 音楽に反映させるなど琉球の伝統文化にはこだわる。

 そのことが緑間さんの出自に関係すると知ったときは
 驚いた。緑間さんは、セーナナー伝説の舞台である
  7つ島のうちの津堅島にルーツを持つというのだ。

  何代か前まで、島で代々続いたという緑間家だが、
  彼は「御佩劍」が完成した後にそれを知ったという。

そして今年、ご縁あって
 私と語り部がお会いしたとき、緑間さんは言った。
「最近になって親戚の人に聞いたマータンコーの
伝説は、あくまで口伝でしかないけれども、
  一子相伝の口伝だからこその意味を感じています」
  
 あのとき、緑間さんが何度か言った「島の精神性」
という言葉を、私はいまでもよく覚えている。

いっぽう、語り部は後に言った。
「ヤマトタケルは斎人だったのだと思います。叔母の
ヤマトヒメが斎宮だったように。だからヤマトタケル
の旅は征伐や治世のためでなく、同族を訪ね歩いての
 祈りの旅だったのでしょう。御佩劍は武器ではない。
  緑間さんは、それを表現できる唯一の人とだと思う」

 津堅島と久高島は、双子島と呼ばれた神の島だった。

11月3日、首里城復活祭で「御佩劍」が上演された。
 首里城でバレエが舞われるのも初のこと。写真は
#トコイリヤ #トコイリヤ・ソサエティーより拝借
天孫氏は火の一族〈135〉御佩劍(みはかし)_a0300530_08215164.jpg







そして、遂に
「御佩劍」は伊勢神宮(皇大神宮・内宮)の参集殿
  能舞台にて、奉納特別版としての上演を果たした。
 11月11日11時から…新しい画期に相応しい時刻に
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私ごときのワタクシゴトで恐縮だけれども、前日、
自宅最寄りの駅で、伊勢での奉納舞に駆けつけるべく
 新幹線チケットを自販機で買うと、11号車11番。
島々の神の霊威が働いたのだろうか…。つづく
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by utoutou | 2023-11-14 17:14 | 天孫氏 | Trackback | Comments(0)
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