琉球で無文銭を見たと帰国報告をした明の冊封使は 郭汝霖だけではなかった。尚元王の前、尚清王代の 使者・陳侃(ちんかん)も、1534年にこう記した。 「国を通じて、ただ日本所鋳の銅銭を用いる。 薄小無文で、十枚で一文に当たり、千枚で百文に 当たる。ちょうど宋末の鵞眼銭や蜒誕銭に似ている」 (原田禹雄・訳注『陳侃使琉球録』) 陳侃と郭汝霖、16世紀に来琉した二人の冊封使は、 無文銭は「日本で鋳造された銅銭」で「宋の…銭 に似ている」と記録した。いっぽう16世紀以前、 日本で鋳造された錢貨は、模造銭と無文銭だった。 (宮城弘樹『琉球出土銭貨の研究』)
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