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琉球玉依姫〈33〉火水風(ヒミカ )

邪馬台国の卑弥呼は、琉球では古来ヒミカと呼ばれた。
火・水・風で火水風(ヒミカ )。初めて聞いたお話。

ただ、薩摩が琉球侵攻する以前には、火・水・星を
「火の神」として崇めたという伝承は、語り部から何度
も聞いたし、何度もブログに書いてきたことだった。

火の神とは台所の神や、火難からの守り神ではない。
日(陽・火・霊)・月(水)・星の森羅万象を司る、と。

ちょうど10年前の夏、語り部の案内で沖縄本島南部、
 斎場御嶽の奥宮であるナーワンダーグスクに登拝した。
巨岩上部の平場には、間隔を置いて3台の石香炉がある。
向かって左は太陽に、右は月に当てられる、という。

「では真ん中の香炉は?」と聞かれ、考えあぐねていると、
それは星(地球)であり、また地球で生命を授かる人
 であると語り部は言った。詳しくはブログ「火の神」に。
なるほど、太陽・地球(人)・月が並んで「火」を象る。

海人(神)族を「火の一族」と呼ぶのは、そのためか
と、いま思う。「火」を構成する自然神を崇めた人々。
そして、火の神を祀るのが、日巫女(ヒミコ)だった。

では、火水風(ヒミカ) の「風」は、どんな意味か。
私はこう思う。星(地球)の発する大地のエネルギー
 が流動したり渦巻いたりする様は、まさに龍神の姿だ。

天にあるもの地にあり、龍脈は地を貫き龍穴より出て、
風となった龍神は、また山々を伝い、舞うように進む。
その龍を追い、火の一族は龍脈を歩き金鉱を掘り当てた。

話は変わり、もし邪馬台国の卑弥呼がヒミカだった
とするなら、沖縄本島南部の西海岸・天久に残る
「ここに、邪馬台国から里帰りした一族がいた」
という伝承は、沢岻にも当てはまるのではないか…?
 などと思いつつ、墓地も売り出し中の集落を歩いた。

 沢岻の拝所には、ヤマトの神社と同じ鳥居が立つ。
昭和の時代に宅地開発が始まった頃の建立らしい
琉球玉依姫〈33〉火水風(ヒミカ )_a0300530_05282279.jpg








時折ササーッと気持ちのいい風が渡る丘の上の拝所。
右端の香炉に「根所」とあることに興味を惹かれた。
中の殿の御嶽の拝所に立つ「ヒミコ女神」との関連は?

写真右端、微かに浦添市役所の特徴ある庁舎が見える
琉球玉依姫〈33〉火水風(ヒミカ )_a0300530_05261177.jpg






この夏の沖縄旅から1ヶ月が経つが、そもそも、
沢岻を訪れたのも、ヒミコの痕跡を訪ねてのことだ。

いまは亡き古老の記録『アミク村の歴史と民俗』に、
3〜4世紀の頃、西海岸の天久に渡来(帰還)した一族
は、海浜の湿地帯から次第に陸地(現在の副都心)へと
移動し稲作を営んだという。彼らは元来、産鉄族であり、
斧(方言でユーチ)などの農具を造る技術を携えていた。

ということは…と天久から新都心を経て沢岻へ向かう
移動ルートを妄想する。例えば沢岻から400m西にある
現在・浦添高校のある内間3丁目(内間グスク)の岩上墓
は「チヤヌチカニマン神」と呼ばれる。カニマン神
 とは鍛冶場の神のことで、ここは産鉄地だったと分かる。
※国土地理院地図に地点を加筆している
琉球玉依姫〈33〉火水風(ヒミカ )_a0300530_05270982.png







上の地図で、内間グスクと沢岻(ヒミコ女神の拝所)まで
の断面図を見ると、沢岻(右)は内間の倍以上の標高。
火を扱う産鉄地は、風が吹き上がる地形が相応しい。
当然、沢岻の丘にも、カニマン(金満)の御嶽がある。
琉球玉依姫〈33〉火水風(ヒミカ )_a0300530_05273948.png










by utoutou | 2024-09-08 19:26 | 最終章 | Trackback | Comments(4)
Commented at 2024-09-13 07:20 x
ブログの持ち主だけに見える非公開コメントです。
Commented by utoutou at 2024-09-14 13:10
> 仁美さん
こんにちは。お母さまが久高島ご出身、言葉が降りてくる、など不思議な体験をお持ちなんですね。答え合わせは気持ちが落ち着くでしょうね。御嶽を歩いて何を感じ取るかということを、昔の神人さん方はお互いに答え合わせをしながら感性(霊性?)を磨いていたそうです。おそらくそれは失われてしまった歴史を探り当てるという目的があってのことだと思いますが。
ブログをシェアしてくださるのも、一種の答え合わせかもしれませんね。リンクは問題ありませんのでよろしくお願いします。私自身は最近、何年か前に駆け足で参った京都・清水八幡宮が気になります。やはり秦氏や賀茂氏についてもっと知りたいと感じています。
Commented by 仁美 at 2024-09-17 01:45 x
お返事ありがとうございます😊
私は神様達から言葉で伝わるお話を聞いてるだけで、ご縁があればちゃんと探索した方々や、専門家の方々と答え合わせをしたいなと思っていたので、こちらのブログは本当にありがたいです✨
utoutouさんが今、氣になってる場所は京都の石清水八幡宮でしょうか?
私は、神奈川の鎌倉にある鶴岡八幡宮には行った事があるんですが、京都の石清水八幡宮には多分、行ったことはないかもしれないです。
(あちこち行き過ぎて記憶にない場合もあるのですが😅)
でも、調べてみたら石清水八幡宮は私が京都でお仕事をしていた時の場所から近い場所にあると知って驚きました🤭
全てはご縁ですね!
utoutouさんのブログをシェアーさせて頂きますね!
ご縁に感謝です🌸ありがとうございます。
Commented by utoutou at 2024-09-18 15:37
ご縁に感謝ですね、本当に。
そして、もし神様からのお言葉を受けた(と感じた)なら冷静に受け止めて、もし、そこに「???」と理解できない点があれば、「〇〇について教えてください」と、キッパリ問い直すことが大切かなと思います。「そこ、おかしくないですか?」と、時には突っ込むこと(笑)も大切。これは、私が長年、語り部さんの様子を見てきて感じることですので、ご本人には内緒です。笑
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