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琉球玉依姫〈37〉弁財天(ビゼーティン)

なはーと(那覇市文化芸術劇場)で、バレエを観た。
バレエアーチスト 緑間玲貴さん(脚本・演出・振付)
による『ビゼーティン〜七つの星の物語』
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昨年秋の伊勢神宮奉納公演『御佩劍(みはかし)』
を観て以来2度目である。※ブログはこちら

津堅島に遺る、大和神話「ヤマタノオロチ」にも
似た「マータンコー(七つの首の蛇) 」伝説を基に
内宮奉納舞でもヤマトタケルの天叢雲剣をテーマとした
 が、「時」はいま、始原の宇宙に巻き戻されている。

 七つ星が天叢雲剣となる展開は、まさにシン琉球神話。
 主演の緑間さんはビゼーティンと天叢雲剣を舞った。
※画像は緑間さんのInstagramより拝借
琉球玉依姫〈37〉弁財天(ビゼーティン)_a0300530_03552131.png








ビゼーティン(弁財天)と北極星(天帝・太一)、
そして北斗七星。圧巻の群舞に、聞得大君に縁の
 の深い掛軸「天御中主神と七人の日巫女」を想う。


一緒に鑑賞した語り部に、翌日、訊いた。
「北極星は御天父親加那志(うてぃんちちうやがなし)
弁財天は御天母親加那志(うてぃんははうやがなし)。
琉球の伝承では、確かそういう関係でしたよね」

「はい。御天母親加那志は御星加那志(みふしがなし)
とも呼ばれました。北斗七星を生んだ星。
 だから北斗七星は御星加那志=輔星を軸に回ります」

『ビゼーティン』の舞台は、沖縄本島の東(あがり)
に浮かぶ島々…南から久高島・津堅島・浜比嘉島
・藪地島・平安座島・宮城島・伊計島という七つの島。
それは北斗七星に例えられ「七つ首の蛇」とも呼ばれて
いたのだが、では、輔星はどの島に例えられたのか?
琉球玉依姫〈37〉弁財天(ビゼーティン)_a0300530_13461778.jpg
※夏の朝、久高島から津堅島方向を眺めた







いろいろと話しているうちに、
語り部は、輔星についての何かを思い出したようだ。
「輔星は、神の島・久高島と津堅島を生んだ島とも
言われ、柄杓(七つ島)の柄の所にあった(☆印)
が、地殻変動で沈んだという言い伝えもありました」
琉球玉依姫〈37〉弁財天(ビゼーティン)_a0300530_13401837.png







柄杓(にぶぅとぅい)のように連なった七つの島。
そこには星を信仰する古代海神族が暮らしていた。
セーナナーと呼ばれることになるその海神族は、
やがて船で列島沿いに九州に向けて北上したという。

向かった先について、訊いてみる。
「もしや、火の国・阿蘇に渡ったということでは?」
すると、語り部はすぐさま答えた。
「その火の国ですよ。邪馬台国連合となり、それ以前は
 倭と呼ばれた海神族が、セーナナーだと思います」

 『ビゼーティン』が語り部の記憶を呼び覚ましている。
そして、私は「七つの首の蛇」とは、語り部の伝える
古代天孫氏王朝のことかもしれないと、考えた。


















by utoutou | 2024-10-10 13:14 | 最終章 | Trackback | Comments(2)
Commented at 2024-10-17 12:23
ブログの持ち主だけに見える非公開コメントです。
Commented by utoutou at 2024-10-19 02:52
> 後藤サヤカさん
コメントをありがとうございます。ひょっとすると島ですれ違っていたかもしれませんね。柳元さんとは、玉城ですれ違ったことがある気がしていました。新三おじいにも、久高海運を立ち上げるまでの話をじっくりお聴きしたことがあります。日月明星、すっと心に沁みるタイトルですね。いつか知念玉城でお会いできますように。舞台の成功と今後のご活躍をお祈りしています。
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