このところ、龍蛇神のことが気になっていた。 ちょうど、出雲大社の神在祭の期間だからなのか。 とはいえ、ブログの流れで言えば、いまなぜ出雲? と思ったり。いっぽう、こんな自問もしたりする。 天叢雲剣(草薙の剣)が熱田神宮に祀られたのは なぜか。そしてなぜ、伊勢神宮には戻されなかった? それは、と自答する。 神剣は文字通り龍神(海神)の御神体だからだろう。 ひょっとして…と、遡ると、 天叢雲剣と熱田神宮についての過去ログがあった。 海神族の象徴である神剣を守るべき者がいたと。 語り部が言ったのは9年前のことだったようで、 「ヤマトタケル神剣を守る者〜熱田神宮」を書いた。 自分でも忘れていた「なぜ神剣は熱田神宮に?」 を推理したくだりを、以下に再録する。 〜宮簀姫の兄で熱田神宮に祭神として祀られる 建稲種命(たけいなだねのみこと)は、なぜ ヤマトタケル東征の副将軍として随行したのかと 不思議だったが、草薙の剣を守る者なら当然だ。 建稲種命は「火明命十一世の孫」。そして、 「亦の名は須佐之男」と『海部氏勘注系図』にある。 スサノオとは唐突な神名だと思っていたが、 建稲種命はヤマトタケル同様、ヤマト神話にいう 海を統べる神・スサノオの再来だったのだろう。 語り部は言っていたものだ。 「ヤマトタケルこと小碓命は大碓命と双子と言いますが、 私にはどうも他に片割れがいるとしか思えない」と。 記紀が隠したその片割れとは、建稲種命だったのか 〜 神剣を守る者が建稲種命ならば、その本拠地である 尾張の国に神剣が祀られるのは、至極当然のこと。 しかも、建稲種命は東征の途で非業の水死を遂げた。 妹でヤマトタケルの妃・宮簀媛が祀るのは、必然だ。 ところで話は冒頭に戻って。神在祭を催行中の 出雲大社で、一度だけ参拝をしたことがある。 拝礼の後で写真を撮ったが、真ん中の尾が見切れた ![]() その夜、ホテルの部屋に戻って見たテレビニュース で全貌にお目にかかることができたのが、この一瞬 ![]() 龍蛇の尾は中央でピンと見事に上に跳ねているが、 この姿は「出雲大社型」と呼ばれるものだという ことを、上田常一著「龍蛇さんのすべて」で知った。 佐太神社・日御碕神社も同じ型だが、美保神社だけ は、尾は巻いたとぐろの中に収める型であるという ![]() なるほど「美保神社型」は、トグロを巻いた自然形。 この立ち姿を交互に組み合わせると鎌卍の紋となる のだと、語り部は、かつてこんなことも言っていた。 「例えば、戸隠神社や諏訪神社の社紋である鎌卍は、 龍蛇神が鎌首を持ち上げる様子を組み合わせたもの。 すると風車のカタチになるわけですが、それには “龍蛇神は永遠なり〟との意味が込められています」 ![]() また、風車は琉球ではアザカ(長実ボチョウジ)の 葉に例えられた。4枚の葉は対生し可憐な実がつく。 久高島の祭・イザイホーでは、草冠を被った神女たち が耳の横にアザカの葉を飾ったという。そこにもまた、 「龍蛇神は永遠に」の意味が込められていたのだろう。 古来、 海神族の人々は龍蛇神を崇め一如として生きていた。 その神剣を守る者は、海神の魂を引き継ぐ者なのだ。 ヤマトタケルも、天火明命の末裔・建稲種命も然り。
by utoutou
| 2024-11-16 21:05
| 最終章
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Comments(4)
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> 晶さん
こんにちは。垣花樋川で遊んでいらしたんですね。思うに、樋川は火の川でもあるのだと思います。垣花樋川の奥の石段から垣花集落に出るまでの左手に、「アマミキヨの弟の鍛冶場があった」と言われていたようですね。そして、垣花を抜けると熱田原貝塚があった場所に出る。そこも海を見渡す崖の中腹。ご先祖様は製鉄をする稲作海洋民(アマミキヨ)かもしれませんね。
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> 七生さん
コメントをありがとうございます。夢の話といい、ご先祖さまといい、家系を遡ってお祀りするお役目なのでしょうか。起こることのひとつひとつを紐解き、納得して進まれるよう願っています。私もいま尾張で龍神や星神を祀った古社を巡っています。祀る人が減り荒廃している神社もあるようですが、古来の聖地そのものは変わらないのだろうと感じます。 ![]() ブログの持ち主だけに見える非公開コメントです。
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