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琉球玉依姫〈40〉神在祭に思う

このところ、龍蛇神のことが気になっていた。
ちょうど、出雲大社の神在祭の期間だからなのか。
とはいえ、ブログの流れで言えば、いまなぜ出雲?
と思ったり。いっぽう、こんな自問もしたりする。

天叢雲剣(草薙の剣)が熱田神宮に祀られたのは
 なぜか。そしてなぜ、伊勢神宮には戻されなかった?
それは、と自答する。
 神剣は文字通り龍神(海神)の御神体だからだろう。

ひょっとして…と、遡ると、
  天叢雲剣と熱田神宮についての過去ログがあった。
   海神族の象徴である神剣を守るべき者がいたと。
 語り部が言ったのは9年前のことだったようで、
    「ヤマトタケル神剣を守る者〜熱田神宮」を書いた。  

 自分でも忘れていた「なぜ神剣は熱田神宮に?」
を推理したくだりを、以下に再録する。

〜宮簀姫の兄で熱田神宮に祭神として祀られる
建稲種命(たけいなだねのみこと)は、なぜ
ヤマトタケル東征の副将軍として随行したのかと
不思議だったが、草薙の剣を守る者なら当然だ。

建稲種命は「火明命十一世の孫」。そして、
「亦の名は須佐之男」と『海部氏勘注系図』にある。
スサノオとは唐突な神名だと思っていたが、
建稲種命はヤマトタケル同様、ヤマト神話にいう
 海を統べる神・スサノオの再来だったのだろう。

語り部は言っていたものだ。
「ヤマトタケルこと小碓命は大碓命と双子と言いますが、
私にはどうも他に片割れがいるとしか思えない」と。
記紀が隠したその片割れとは、建稲種命だったのか 〜


神剣を守る者が建稲種命ならば、その本拠地である
尾張の国に神剣が祀られるのは、至極当然のこと。
しかも、建稲種命は東征の途で非業の水死を遂げた。
妹でヤマトタケルの妃・宮簀媛が祀るのは、必然だ。


ところで話は冒頭に戻って。神在祭を催行中の
出雲大社で、一度だけ参拝をしたことがある。
拝礼の後で写真を撮ったが、真ん中の尾が見切れた
琉球玉依姫〈40〉神在祭に思う_a0300530_11160064.png







その夜、ホテルの部屋に戻って見たテレビニュース
で全貌にお目にかかることができたのが、この一瞬
琉球玉依姫〈40〉神在祭に思う_a0300530_13354260.png







 龍蛇の尾は中央でピンと見事に上に跳ねているが、
この姿は「出雲大社型」と呼ばれるものだという
 ことを、上田常一著「龍蛇さんのすべて」で知った。

佐太神社・日御碕神社も同じ型だが、美保神社だけ
は、尾は巻いたとぐろの中に収める型であるという
琉球玉依姫〈40〉神在祭に思う_a0300530_10231524.jpg



 




なるほど「美保神社型」は、トグロを巻いた自然形。
この立ち姿を交互に組み合わせると鎌卍の紋となる
のだと、語り部は、かつてこんなことも言っていた。

「例えば、戸隠神社や諏訪神社の社紋である鎌卍は、
龍蛇神が鎌首を持ち上げる様子を組み合わせたもの。
すると風車のカタチになるわけですが、それには
“龍蛇神は永遠なり〟との意味が込められています」
琉球玉依姫〈40〉神在祭に思う_a0300530_10265594.jpg






また、風車は琉球ではアザカ(長実ボチョウジ)の
葉に例えられた。4枚の葉は対生し可憐な実がつく。

久高島の祭・イザイホーでは、草冠を被った神女たち
が耳の横にアザカの葉を飾ったという。そこにもまた、
「龍蛇神は永遠に」の意味が込められていたのだろう。

古来、
海神族の人々は龍蛇神を崇め一如として生きていた。
その神剣を守る者は、海神の魂を引き継ぐ者なのだ。
ヤマトタケルも、天火明命の末裔・建稲種命も然り。

by utoutou | 2024-11-16 21:05 | 最終章 | Trackback | Comments(4)
Commented at 2024-11-25 21:34
ブログの持ち主だけに見える非公開コメントです。
Commented by utoutou at 2024-11-26 11:37
> 晶さん
こんにちは。垣花樋川で遊んでいらしたんですね。思うに、樋川は火の川でもあるのだと思います。垣花樋川の奥の石段から垣花集落に出るまでの左手に、「アマミキヨの弟の鍛冶場があった」と言われていたようですね。そして、垣花を抜けると熱田原貝塚があった場所に出る。そこも海を見渡す崖の中腹。ご先祖様は製鉄をする稲作海洋民(アマミキヨ)かもしれませんね。



Commented by utoutou at 2024-11-26 12:06
> 七生さん
コメントをありがとうございます。夢の話といい、ご先祖さまといい、家系を遡ってお祀りするお役目なのでしょうか。起こることのひとつひとつを紐解き、納得して進まれるよう願っています。私もいま尾張で龍神や星神を祀った古社を巡っています。祀る人が減り荒廃している神社もあるようですが、古来の聖地そのものは変わらないのだろうと感じます。
Commented at 2024-11-27 15:52
ブログの持ち主だけに見える非公開コメントです。
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