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南島の瀬織津姫〈5〉山上の龍神

古代琉球に降臨した三女神の神話(民話)は、
宗像三女神、大山祗神の三女神、スサノオ三女神
と諸説あったというが、いずれにしても17802年
続いたという古代天孫氏王朝の神裔と考えられた。

神は元ひとつ。その名は天王ガナシー、
敬称では、天地大神様(あめつちのおおかみさま)。

神人たちが「琉球の始祖スサノオ」をそう呼んだ
という語り部の伝に倣えば、やはり降臨した三女神は、
 海を統べる王・スサノオの三女神ということになる。
※過去ログの『スサノオの天孫氏王朝』参照

ともあれ三女神の降臨神話は、逆に古代琉球を
自在に往還した多くの海神族の存在を思わせる。

海の民は、倭人・倭族という名でも呼ばれてきた。
その人々は、太古の昔から龍神(海神)を崇めた。

龍神の亦名は大綿津見神(おおわたつみのかみ)。
山に入った海神族は大山祗神(おおやまずみのかみ)
を崇めたというのは、これも琉球の民間伝承である。

ところで、
大山祗神(大山積神)は女神だという説がある。
それは俗説にすぎないという見方もあるいっぽう、
私などは、至極当然の説なのだろうと感じる。
龍神に男女両性が在るのだから、大山祗神も然り。
大山祗神の女神説には、それほどの違和感はない。


それよりも、先日、語り部と大山祗神の話を
しているなかで、初めて聞く話には少し驚いた。

琉球八社のひとつ
天久宮(那覇市天久)の旧地周辺の海岸で、
かつて「貴船の神」を視たことがあったという。
県立泊高校と外人墓地、ハーリー会館のある地域だ。
(※Googleマップハーリー会館付近)
南島の瀬織津姫〈5〉山上の龍神_a0300530_09151027.jpg








語り部が女神を視たという天久丘陵全景。
那覇港に架かる泊大橋(右)のたもとの裏山か?
南島の瀬織津姫〈5〉山上の龍神_a0300530_09163976.jpg



「とても美しい女神で、そのお姿を例えて言えば、
龍騎弁財天か妙見菩薩に似ていました」と語り部。

妙見菩薩の画像(星田妙見宮のサイトから拝借)

南島の瀬織津姫〈5〉山上の龍神_a0300530_08253390.png





ひとつ思い当たることがあり、聞いた。
「もしかすると〝貴船の神〟にも似ているんでは?」
「はい、京都・貴船神社の山上の女神に似ています」

貴船神社の祭神である高龗神(たかおかみのかみ)
と闇龗神(くらおかみのかみ)と呼ばれる水神は、
他でもない山上の女神(大山祗神)の分身である。

ならば、やはり大山祗神は女神だったのか。
また、その女神こそ南島の瀬織津姫だとも感じる。
天久宮には山に弁財天がいたという神社縁起がある。
つづく…。



by utoutou | 2025-04-05 12:39 | 最終章 | Trackback | Comments(0)
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