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南島の瀬織津姫〈19〉虹の橋に思う

その朝、久高島のメーギ浜から虹を見ていた。
7時半すぎのこと。久高島に泊まると、だいたい
この時間に、浜とその隣の漁港に近いアカララキ
 御嶽に参るのが、ルーティンのようになっている。

 港の旧名は、「君の泊(ちみん・とぅまい)。
王朝時代の聞得大君が久高島に行幸するときは、
泊(港)に着くとアカララキにお参りしたという。


「聞得大君(きこえ・おおきみ)の原型は菊理姫
である」という伝承を、これまで語り部から何度
も聞いたが、実はピン!とくることはなかった。
でもこの朝は、優しげな虹に明るい兆しを感じた
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午前の船で本島に渡り、斎場御嶽の入場チケット
を購入する「がんじゅう駅」から、東に浮かぶ
久高島を眺めると、白砂のメーギ浜が見えた。

 手前は、エメラルドグリーンのイノー(浅海)。
 サンゴ礁の白砂と太陽光が織りなす夏の風物詩。
船上から、聞得大君も見たはずの風景が広がる
南島の瀬織津姫〈19〉虹の橋に思う_a0300530_05460125.jpg








斎場御嶽の久高島遥拝所から島影を見ていると、
アカララキの聖なる「気」が甦り想いが巡る。

聞得大君の神の島への第一歩がアカララキ。
 その御嶽は人の世と神の島の境界に立っている。
確かに『日本書紀』での菊理姫の登場場面のよう
だと思う。黄泉の国へ発ったイザナミと、追う
イザナギの争いを仲裁したのが、菊理姫だった。
まさに、生と死の境界に虹の橋を架けるように…
南島の瀬織津姫〈19〉虹の橋に思う_a0300530_05455880.jpg




いっぽう、古伝『ホツマツタエ』の中の菊理姫
(ココリヒメ)=白山姫はイザナギの実母である。
 またイザナギは第五代・高皇産霊神の子という。
つまり菊理姫は高皇産霊神の系譜に繋がる女神。

 とてつもなく神格の高い国生みの母というわけだ。
 その女神を、語り部はなぜ南島で視てきたのか…?




by utoutou | 2025-08-22 20:58 | 最終章 | Trackback | Comments(0)
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