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南島の瀬織津姫〈20〉久高島レイライン

虹が架かった数分前、アカララキの御嶽で不思議な
光を見た。膝を曲げた姿勢で拝所の前にいたので
太陽光ではないのは分かる。朝の7時半のことだ。

そのときの太陽は、写真に映る木枝の先…ずっと
上方で輝いていた。ではこの光は何なのだろう?

後で語り部に聞けばよいかと思い、浜に出たとき、
斎場御嶽のある本島へと架かる虹を見たのだった
南島の瀬織津姫〈20〉久高島レイライン_a0300530_13501158.jpg








アカララキでは、時折、光にまつわる不思議な
写真が撮れる。11年前の旧正月の日もそうだった。
木漏れ日が秘めるメッセージがありそうな気が
して、集落内にある神人の庵へ走ったのだった。
南島の瀬織津姫〈20〉久高島レイライン_a0300530_16500169.jpg









あの頃、島の神事を教えてくれた男性神人は、
このたび久高島に渡った数日前に亡くなっていた。
突然の訃報に前夜、触れたばかりだったので、
朝に見た虹は神人の遺言のように感じられた。
アカララキは大切な御嶽、忘れないように、と。

アカララキは、王朝時代に聞得大君が島で最初に
参拝した聖地とは伝わるけれど神徳は何ですか?
という私の質問に、神人はこんなふうに答えた。

「生死を分ける鍵を握っている女神と、島では
 言われています。子どもの頃に人が亡くなりそう
なとき、おばあと浜で手を繋いでアカララキに祈り
ました。この先(西)に行かせないでくださいと」


午後、語り部に↓アカララキの写真を見てもらった。
一連の写真のうちのこの1枚を見て、彼は言った。
「花鏡のようです。おそらく一対になっていますね」
南島の瀬織津姫〈20〉久高島レイライン_a0300530_14072875.jpg









花鏡であるという意味はさて置き、私は聞いた。
「その鏡はどこの鏡と一対になっているんですか?」
語り部は間髪を入れず言う。
「真っ直ぐ西に位置する…ナーワンダーグスクです」
「あ、久高島と斎場御嶽とナーワンダーの東西軸」
南島の瀬織津姫〈20〉久高島レイライン_a0300530_15013932.jpg







↑これは、コロナ渦中の2020年に撮ったものだが、
そうかと、語り部や久高島の神人の言ったことが
 いま分かる。この太陽は東西軸のレイラインを物語る。
ラインを描いた人々が、琉球王朝で得聞大君を最高位
とする祭政一致制度を作った人々だったのではないか!?

アカララキに菊理姫を視る語り部の見立てには程遠い
が、アカララキは太陽神の御嶽だと、私は確信した。
 菊理姫(白山姫)は太陽を祀る巫女だったのだろう。
つづく…






by utoutou | 2025-08-29 19:00 | 最終章 | Trackback | Comments(4)
Commented at 2025-08-30 11:03
ブログの持ち主だけに見える非公開コメントです。
Commented by utoutou at 2025-08-31 15:42
> さいとう よしみさん
いつもありがとうございます。白山中居神社と藤原公のお話、私も何かで拝読しました。アマミキヨ …菊理媛、大変難しい課題ですね。どうも水にまつわる神徳だけではない、もっと深い原初を司る女神のように感じられて仕方がありません。
Commented at 2025-08-31 18:08
ブログの持ち主だけに見える非公開コメントです。
Commented by utoutou at 2025-09-05 09:28
> さいとう よしみさん
ありがとうございます。
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