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シャコ貝とアザカと猿田彦 3⃣ 琉球石灰岩

昨日26日、国会図書館に寄ろうとしたが、
地下鉄有楽町線・永田町の改札口に張り紙。
「本日は休館日です」
ガーン、早くも年末年始の休みに入っていた。

仕方なくホームに戻ろうとして、思い立ち
国会議事堂の見学者入口まで行って訊く。
「中央玄関ロビーの見学はできますか?」

琉球石灰岩でできているというその壁を、
実は、一度見てみたかった。
女性の警備員さんが言う。
「見学コースの最後が、その中央広間です」
ちょうど5分後の午後4時から出発という。
「いえ、その中央広間の壁を見たいだけなので」
「ああ、珊瑚石灰岩ですね。でも単独では入れません」
というわけで、
1時間かかるという見学に参加することに。 


結局、議事堂内は写真撮影禁止。
出て来て、午後5時の外観 ↓
中央塔の下が中央広間。2階から6階まで吹き抜け。
その壁と柱にはすべて、琉球トラバーチンが使われている。
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案内では「沖縄産の珊瑚石灰岩」とだけ説明されたが、
琉球トラバーチンは、琉球石灰岩のなかでも、
とくに再結晶化が進み、珊瑚や有孔虫化石が含まれるもの。
沖縄本島中部の平敷屋(へしきや)で採掘される高級石材だ。


出発前の参観ロビーで撮った、中央広間の展示写真。
いわば「議事堂の顔」にあたる場所に、なぜ琉球トラバーチン?  
シャコ貝とアザカと猿田彦 3⃣ 琉球石灰岩_a0300530_103395.jpg



政治的な経緯はいざ知らず、選ばれた理由は、
琉球石灰岩の持つ特殊な魅力にあると思う。
見た目も、コーラルがかった色と艶が美しく
中央広間の壁と柱は、他を圧倒していた。

思えば、サキタリ洞の
埋葬人骨も石灰岩で覆われていた。
古代人もその効能を知っていた証しだろう。

再生を願って死者を悼むための「祭具」だったか、
逆に、霊魂の封じ込めに使った「魔除け」だったか。
いずれにしても、珊瑚石灰岩には魂を浄化する力がある。

本島の南東部がパワースポットと言われる要因は、
珊瑚石灰岩が発するマイナスイオンにあると思う。
この海から吹くミネラル分たっぷりの潮風は、
植物や農産物を半端なく成長させ、
酸化した人間の体を否応なく調整する。


そんな沖縄の海産物…珊瑚や貝は、
古代から世界の人々の羨望の的だった。
殷王朝(紀元前1600年〜1046年)
では、沖縄の子安貝(タカラ貝)が
貨幣として使用されたという。

貝の流通を担ったであろう古代琉球人の存在を、
騎馬民族渡来説で有名な故・江上波夫博士は、
生涯にわたって研究していた。

古代の大陸人は子安貝の産地として、
沖縄を認識したという仮説を、博士は立てた。
その内容について国会図書館で調べたかったが、
お楽しみは年明けに持ち越しということで…。


衆議院門からの外観。ちょうど昨日の午前、
第188特別国会開会式が参院議場で行われたが、
御臨席の天皇陛下がお使いになった玄関が、あの中央広間。
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# by utoutou | 2014-12-27 16:46 | 洞穴(ガマ) | Trackback | Comments(0)