当ブログでアクセス数の多かったシリーズと言えば ダントツに『沖縄の天女伝説』だと思っているが、 そのなかには、しばしば玉依姫の名が登場する。 天久ノロとなった中玉依姫(諱)にちなみ、 ここで天女伝説シリーズをまとめて振り返りたい。 まず、シリーズ中もっとも読まれたのが↓こちら。 (〜から〜の部分が、内容のポイント) 天女伝説シリーズを始めたのは、2015年の夏。 ちょうど、沖縄の天女伝説と産鉄との関係に関心が あり、その伝承地を歩きたいと沖縄を旅していた。 そこで語り部から「天女神加那志」の伝承を聞いた。 天孫氏の系譜に見える神名が、天女の原型だという。 その御骨が、斎場御嶽の奥宮・ナーワンダーグスク に埋葬されたという口伝は『琉球祖先宝鑑』にも。 シリーズの回を重ねるごとに、天女が王統の祭祀に とって欠かせない存在だったということが分かって きた。神と繋がる霊能性を求められたのだろうか。 〜語り部は言ったのである。 「琉球王朝の初期の頃、聞得大君が即位式をした のは寄満で、その理由はここに 天女神加那志が祀られているからです。 風葬墓もあると神人おばあたちから教わりました」〜 〜斎場御嶽の風葬墓とはナーワンダーグスクを指す。 斎場御嶽の奥宮である。昭和以前には 参拝できたといい、さらに遡り、 琉球第二尚氏王朝三代の尚真王の時代までは、 そのナーワンダーが第一の御嶽であったため、その真下 に位置する寄満で王と聞得大君が戦勝祈願した 〜 〜「(斎場御嶽の)寄満は台所じゃなかったのですね」 と確かめると、語り部は言った。 「古代には、五穀の倉があったと思うのです。 伝説に出てくる天女の羽衣はどこに隠されますか?」 「稲倉です。だから、ここにも天女伝説があったと?」 「はい、天女神は機織り姫でもあったと思います」 「それでナーワンダーグスクから機織り機が出土した」〜 〜 中山王・察度(さっと)の母は天女、 琉球王朝の王妃もまた天女。母も妃も天女とした ところに政略的な作為を感じるのは、私だけか? などと思いつつ、森川公園を出ると、近くに たいへん立派な拝所があるのに気づいた。 〜 あるとき、宜野湾の我如古(がねこ)に あった察度王の流れを汲む新垣という家で、 お爺さんが、少年だった語り部に尋ねた。 「オマエは、天女とは誰のことだと思うか?」 「おじい、天女は天女じゃないの?」 「バカを言うな。人と天女の間に人ができるか」 困り果てた語り部に、お爺さんは言った。 「天女はね、銘苅(めかる)の娘だよ」〜 ☆ 銘苅家とは、諡を中玉依姫と呼ばれた大主乙樽の 生家・崎間家(屋号は尻利武川家)の鼻祖(元祖) であると、『アミク村の歴史と民俗』は伝えている。 中玉依姫は、自ら名を明かした「天女」だったのか。 つづく…。 #
by utoutou
| 2024-01-19 20:10
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